(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)

 
II.臨床心臓電気生理検査

 
(2)頻脈性不整脈

リスク評価を目的とした心臓電気生理検査

Class I:
  1. 心停止蘇生例
  2. 原因不明の失神発作または左室機能低下を有する器質的心疾患に伴う非持続性心室頻拍
  3. 失神の既往あるいは突然死の家族歴のあるBrugada症候群
  4. 症状のないWPW症候群で,突然死の家族歴があるか,危険度の高い職業に従事している場合
Class IIa:
  1. 非持続性心室頻拍あるいは心室期外収縮頻発症例で,器質的心疾患を有し加算平均心電図上心室遅延電位が陽性の場合
Class IIb:
  1. 非持続性心室頻拍症例で,心機能低下を伴わない器質的心疾患を有する場合
  2. 器質的心疾患がない心室期外収縮頻発あるいは非持続性心室頻拍症例で,加算平均心電図上心室遅延電位が陽性の場合
  3. 失神あるいはめまいのある動悸発作の既往あるいは家族歴のあるQT延長症候群

突然死のリスク評価に関しては,致死的不整脈の誘発の可否で判定が行われているが,危険度の高い症例の同定は必ずしも容易ではなく,ホルター心電図,運動負荷,加算平均心電図,T wave alternansなどによる評価を併せて総合的に判定する.
心筋梗塞急性期を除く心停止蘇生例は心室頻拍・心室細動の再発率が高く,従来から電気生理検査ガイド治療が行われている.器質的心疾患を有する非持続性心室頻拍においては左心機能低下例が問題となり,左室駆出率40%未満の場合,陳旧性心筋梗塞,拡張型心筋症,肥大型心筋症では電気生理検査によるリスク評価を積極的に行う49,50,51,52)
症状のないWPW症候群では,突然死の家族歴があるか,パイロットなどの危険度の高い職業に従事している場合は,電気生理検査により副伝導路の不応期を測定し不応期の短いハイリスク群を同定する38)
QT延長症候群のリスク評価における電気生理検査の意義は確立されていないが,少なくとも失神あるいは症状のある頻拍の既往を有するQT 延長例では,torsades de pointesの誘発及び心腔内マッピングにより単相性活動電位を記録し早期後脱分極との関連を検討する53,54,55).近年,器質的心疾患のない若年〜中年者の突然死の原因としてBrugada症候群が注目されており,心電図上特徴的なV1-3誘導のST上昇は検診では0.05〜0.4%に認められており,自覚症状のない症例が大半であるが,失神既往あるいは突然死家族歴のあるBrugada型心電図例では突然死のリスク評価に電気生理検査を行う.心室細動が誘発された例では植込み型除細動器治療を検討する56,57,58,59)
器質的心疾患がない心室期外収縮頻発例では電気生理検査の有用性は低いと考えられている.誘発される不整脈は不整脈の種類や誘発プロトコールによって,臨床的意義に差があると考えられるが,これらの症例に対するエビデンスはない.加算平均心電図にて心室遅延電位が陽性の場合には電気生理検査を考慮することもある60,61)

 

 
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