(旧版)不整脈の非薬物治療ガイドライン(2006年改訂版)
II.臨床心臓電気生理検査 |
(2)頻脈性不整脈
診断を目的とした心臓電気生理検査
Class I:
- 症状のあるnarrow QRS頻拍
- wide QRS頻拍
- 失神・めまいを伴う動悸発作を有するWPW症候群
- 失神・めまいを有し,原因として頻拍が疑われる場合
- 動悸発作の原因として頻脈性不整脈が疑われ,心拍数は速いが心電図等により確認できない場合
- 症状のないnarrow QRS頻拍
頻拍の診断においては,電気生理検査における頻拍の誘発あるいは頻拍に必須の不整脈基質を同定することが重要であるが30),頻拍の機序によってはプログラム刺激よりも各種の薬物負荷が有用である.
非心臓性の原因(甲状腺機能亢進症・貧血等)を除外した頻脈性不整脈は電気生理検査の対象となる.症状のあるnarrow QRS(<120msec)頻拍31,32,33)や自覚症状に関わらず心室頻拍を含むwide QRS頻拍34,35)はその機序としてリエントリーの可能性が高く電気生理検査の良い適応となる.頻拍の診断は治療方針の決定に有用であり,カテーテルアブレーションによる根治の可能性は高い33,36).失神・めまいを有するWPW症候群では突然死の可能性があり,頻拍の誘発及び副伝導路の不応期の測定によるハイリスク群の鑑別が重要である37,38).また,原因不明の失神・めまいを有し,原因として頻拍が疑われる症例では頻拍の誘発だけでなく基礎心疾患の診断も重要となる.