(旧版)骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン

 
II 骨粗鬆症の診断

 
用語解説
骨量・骨塩量・骨密度

骨量(bone mass) 骨は骨基質(コラーゲンなど)と骨塩(ハイドロキシアパタイト)からなり,骨量はそれらの総和である。
骨塩量(bone mineral content,BMC) DXA,QCT,pQCTなどで測定されているのは骨塩量である。
骨密度(bone mineral density,BMD) 骨サイズの影響を除外するために,DXAでは骨塩量を骨面積(cm2)で,QCTやpQCTでは骨塩量を骨体積(cm3)で除した値で示す。
骨量測定と骨塩定量 骨量測定とは,厳密には骨基質と骨塩を併せた量を測定することを意味する。しかし,現実には臨床上,骨基質を測定することが困難なため,骨塩量をDXAなどで測定しているので骨塩定量という。QUSでは骨構造や骨密度など骨強度を反映する指標が得られる。


椎体の骨折

脆弱性骨折
(fragility fracture)*1
低骨量(骨密度が若年成人平均値の80%未満,あるいは椎体エックス線写真で骨粗鬆化がある場合)が原因で,軽微な外力によって発生した非外傷性骨折。骨折部位は椎体,大腿骨頸部,橈骨遠位端,その他。
臨床骨折
(clinical fracture)*2
腰背部痛などの臨床的に明らかな症状があり,エックス線写真により骨折が確認されたもの。
形態骨折
(morphometric fracture)*2
臨床症状の有無とは無関係にエックス線写真により椎体変形の程度から判定される骨折。
既存骨折
(prevalent fracture)*2
ある特定の一時点におけるエックス線写真での椎体の変形の程度により判定される骨折。
新規骨折(incident fracture)*2 二つの時点におけるエックス線写真を比較し椎体の形態変化の程度により新たに判定される骨折。

文献
*1 折茂 肇ほか.原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度改訂版).日骨代謝誌.2001;18:76-82.
*2 中村利孝.椎体骨折の臨床疫学.1-1 臨床的特徴と定義.骨粗鬆症の椎体骨折-骨の量・構造と強度.中村利孝ほか編.メディカルカルチュア;東京:2002.p.12-5.


大腿骨近位部における各骨量指標の領域(図)

大腿骨頸部 DXAでは頸部の幅10mmまたは15mm(機種により異なる)範囲の骨密度が得られる。
大腿骨近位部 DXAでは頸部と転子部ほか,転子間部と呼ばれる部位のおのおのとトータル(近位部)の骨密度がQDR,DPXで得られる。

大腿骨近位部における各骨量指標の領域


【参照】
V 骨粗鬆症の治療 B.治療効果の評価と管理 a.骨量

 

 
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