(旧版)大腸癌治療ガイドライン
II.治療法の種類と治療方針の解説
6.放射線療法
2)緩和的放射線療法
a.骨盤内病変
・ | 骨盤内腫瘍による疼痛,出血,便通障害などの症状緩和を目的とする。 |
・ | 標的体積には症状の原因となっている腫瘍を含める。 |
【線量と分割法】
・ | 1回1.8〜2.0Gy,総線量45〜50Gy照射する。 |
・ | 全身状態,症状の程度によっては1回線量を多くして短期間で照射を終了することもある。 |
b.骨盤外病変
(1)骨転移
・ | 疼痛の軽減,病的骨折の予防,脊髄麻痺の予防と治療を目的とする。 |
・ | 標的体積には症状の原因となっている腫瘍を含める。 |
【線量と分割法】
・ | 局所照射では30Gy/10回,20Gy/5回などの分割照射が広く行われている。 |
(2)脳転移
・ | 脳神経症状や頭蓋内圧亢進症状などの症状緩和と局所制御を目的とする。 |
・ | 多発性脳転移例や外科切除の対象とならない孤立性脳転移例では全脳照射を考慮する。 |
・ | 脳転移個数が3〜4個以内で3cm以下であれば,定位放射線照射を考慮する。 |
【線量と分割法】
・ | 全脳照射では30Gy/10回が標準的であり,長期予後が期待される場合には37.5Gy/15回ないしは40Gy/20回などを検討する。 |
・ | 定位手術的照射では辺縁線量16〜25Gyを1回で照射する。 |