(旧版)大腸癌治療ガイドライン
II.治療法の種類と治療方針の解説
4.再発大腸癌の治療方針
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[直腸癌局所再発] | |
(1) | 再発巣の進展範囲を画像診断にて評価し,再発形式や症状,身体的所見なども参考にして,完全切除が期待できる症例にのみ切除を考慮する。 |
(2) | 直腸癌局所再発のうち,吻合部再発や前方再発では完全切除が期待できることが多い58)。後方再発では,完全切除のためには仙骨合併切除が必要になることがあり,耐術能も十分考慮したうえで適応を決定する。 |
(3) | 下腿から足底に及ぶ坐骨神経痛や下肢の浮腫などの症状を伴う側方再発は,高度浸潤や過進展を示すものであり59),手術の適応は少ない。 |
(4) | 初回手術で側方郭清が行われている症例の側方再発では完全切除が行える可能性は低い57)。 |
(5) | 延命効果や症状緩和を目的とした姑息的切除の有効性については議論が多く,慎重に検討すべきである60)。 |
(6) | 完全切除が期待できない場合,放射線療法と全身化学療法の単独あるいは併用療法を考慮する。 |