有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン
IV.結果
2. 検診方法の証拠
2)低線量CT
間接的証拠
低線量CT検診の感度・特異度に関して、追跡法による質の高い報告はない。
I期肺がん割合は、初回検診において53-100%、繰り返し検診において25-100%と、報告により比較的大きな開きが認められた(表12)。ただし、本邦からは、初回検診では77%62)、100%64)、86%68)、75%70)、繰り返し検診では79%62)、94%64)、100%68)と報告されており、初回、繰り返しのいずれの検診においてもI期肺がん割合が75%以上と、極めて高い割合となっている。一方、唯一の無作為化比較対照試験であるThe Lung Screening Study Research Groupの報告58),59)では、初回のI期割合は、CT群で53%、CXR群で86%であった。また1年目では、CT群25%、CXR群22%で、初回登録時、1年目ともにCT群とCXR群でI期割合に有意差は認められなかった。また、70年代に行われたMayo Lung Projectとの比較を行ったSwensenらの報告60),61)では、病期I期割合はCT検診群47%、対照群41%と両群に有意差を認めず、病期IA期以下の割合ではCT検診群47%、対照群23%と、CT検診群においてIA期の割合が多い傾向を認めたが、有意差はなかった。
生存率に関する報告としては、Sobueらが、初回検診と繰り返し検診の発見肺がん全体の5年生存率をそれぞれ76.2%、64.9%と報告している62)。
表12 低線量CT検診報告概要 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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