有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン

 
I.はじめに

 
肺がんのリスク要因

肺がんのリスク要因としては、本人喫煙の影響が圧倒的に大きい。わが国で行われた代表的な疫学研究の結果では、非喫煙者を1(基準群)としたときの喫煙者の肺がんリスクは、男性で4.5-5.1倍、女性で2.3-4.2倍となる4)。肺がん罹患者のうち喫煙が原因と考えられる者の割合(寄与割合)は、男性では67-72%、女性では15-16%と推定される5)。喫煙年数が長いほど、喫煙本数が多いほど肺がんリスクは高く、禁煙すると喫煙継続者に比べて肺がんリスクは減少する。また、受動喫煙により肺がんリスクは1.2-1.3倍増加する6)
喫煙以外の肺がんリスク要因としては、職業曝露(石綿、砒素、クロロメチルエーテル、マスタードガス、クロム、ニッケル、ウラニウム鉱山)があるが、一般住民における寄与割合は小さい。その他の要因としては、大気汚染、食事(野菜・果物不足)、室内ラドン曝露、呼吸器疾患の既往などがある7)

 

 
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