有効性評価に基づく肺がん検診ガイドライン
要旨
対象及び方法
検診の対象は、無症状である者が該当し、有症状者や診療の対象となる者は含まない。本ガイドラインでは、肺がんを標的疾患とし、その死亡率減少を目的としたものに限定して、肺がん検診と定義する。この評価の対象とした方法は、現在、わが国で主に行われている非高危険群に対する胸部X線検査、及び高危険群に対する胸部X線検査と喀痰細胞診併用法、低線量CT(Computed Tomography)である。胸部X線検査と喀痰細胞診の単独の有効性については、付随して検討を行ったが、通常線量によるCTに関しては、評価の対象としていない。
根拠となる文献は、MEDLINE、医学中央雑誌を中心に、さらに関連学会誌のハンド・サーチを加え、1985年1月から2005年7月に至る関連文献を抽出した。各検診方法別の直接的及び間接的証拠に基づき、証拠のレベルを判定した。不利益について、検査方法間の対比を行った。最終的に、証拠のレベル及び不利益の評価から、推奨レベルを決定した。