(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版
膵癌診療ガイドライン外部評価の結果
【考察】
ガイドラインの対象や目的,作成プロセス,推奨(勧告)の明確さなどについては,いずれの評価方法を用いても高い評価が得られていたものの,適用可能性(実際の適用にあたっての考慮),編集の独立性などについては評価が低かった。ある程度予想された結果ではあるが,これらをどう考慮していくかは今後の課題と思われた。また,今回は評価者が5名と限定されており,また,膵癌専門医,非専門医,医師以外の比較についての検討は行わなかった。今後は,特に,本ガイドラインを実際の臨床現場で用いることにより,多くの医師,コメディカルあるいは患者などからの評価を受け,意見を求めることが重要である。また,どのような評価方法を用いるかについても,さらなる検討の余地があると思われる。
AGREEにおける全体評価では,評価者全員が「きわめて有用である」,「有用である」と回答している。一方,ShaneyfeltやCOGSでは全体評価はないものの,全項目をまとめて全体でのYesと回答した割合を試行的に求めてみたところ,87.2%,97.8%でいくつかの課題は残るものの,本ガイドラインの評価は総じて高いと考えられる。