(旧版)科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン 2006年版

 
 
CQ1 診断法


CQ1-4 膵癌の診断法:セカンドステップは何か?

【明日への提言】
血中膵酵素,腫瘍マーカー,US,CT(造影も含む)で膵癌が疑われ,これらの画像所見等から質的診断が可能であれば,さらなる画像検査は必須ではない。膵癌による閉塞性膵炎の間接所見としての血中膵酵素の上昇には特に注意を要する。質的診断に至らない場合にはMRI(MRCP),EUS,ERP,必要に応じてPETなどの検査を組み合わせ総合的に診断していくべきである。小さい膵癌では,これらの検査を駆使しても現在の画像解析能力では腫瘍の描出が困難なことも多い(図1-1〜5)。間接所見で膵癌が強く疑われる場合には,細胞診や組織診による確定診断(CQ1-6)を専門施設において行うことが望ましい。

図1-1 図1-2
図1-3 図1-4

図1-5
図1-1  超音波検査にて体部主膵管(矢頭)の軽度拡張を認めるが,腫瘤は不明瞭である。
図1-2 腹部CTでも軽度の主膵管拡張はあるものの,腫瘤自体は不明瞭であった。
図1-3 超音波内視鏡検査では尾側膵管の拡張とその乳頭側に腫瘤像が認められる。
図1-4 ERCPでは体部主膵管に狭窄と,尾側主膵管の軽度拡張が認められる。
図1-5 主膵管狭窄部へのERCP下ブラッシング細胞診にて癌陽性の所見が得られた。切除標本上は9mmの小膵癌であった。

 

 
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