(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ12 アウトカムマネジメント

【CQ 12.4】
褥瘡の治癒促進に,長期ケア施設ではどのような対策が有効か

【推奨文・推奨度】
多職種で構成する褥瘡対策チームを設置することが勧められる。 [推奨度B]
包括的なプログラムやプロトコールを用いる。 [推奨度C1]

【解説】
ナーシングホーム44施設(介入群21施設,対照群23施設)を対象として多職種による褥瘡対策チームの活動による褥瘡治癒促進効果を評価したランダム化比較試験がある1)。介入群が対照群より治癒率が高く(P=0.07),ハザード比は1.73(P=0.003)と報告されている。これにより,長期ケア施設において多職種で構成する褥瘡対策チームを設置することは褥瘡治癒促進効果があるといえる。ただし,この対象は褥瘡が8割,足潰瘍が2割であり,すべての対象が褥瘡ではない。
77床の長期ケア施設を対象にして,ガイドラインに基づいた褥瘡予防プロトコールの有無により褥瘡治癒期間を比較したヒストリカル・コントロール研究がある2)。介入前,介入直後,介入3年後の3つの群の褥瘡治癒をエンドポイントとした生存曲線のIog rank検定の結果,褥瘡治癒期間は3群間で有意差があった(Log rank=9.49, P<.01)と報告されている。したがって,長期ケア施設においてガイドラインなどの包括的なプログラムを用いることは褥瘡治癒促進効果があるといえる。

【文献】
1) Vu T, Harris A, Duncan G, et al:Cost-effectiveness of multidisciplinary wound care in nursing homes:a pseudo-randomized pragmatic cluster trial. Fam Pract, 24(4):372-379, 2007.(レベルII)
2) Xakellis GC, Frantz RA, Lewis A, et al:Translating pressure ulcer guidelines into practice:itNs harder than it sounds. Adv Skin Wound Care, 14(5): 249-256, 258, 2001.(レベルIV)


 

 
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