(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ12 アウトカムマネジメント

【CQ 12.2】
褥瘡予防に,長期ケア施設ではどのような対策が有効か

【推奨文・推奨度】
包括的なプログラムやプロトコールを用いる。 [推奨度C1]
ブレーデンスケールによるアルゴリズムを用いて 褥瘡予防ケアを選択する。 [推奨度C1]

【解説】
2つの長期ケア施設(施設A150床,施設B110床)を対象として,ブレーデンスケールによる褥瘡発生予測,褥瘡発生予防プログラム,スキンケアシステムの実施,栄養補助食品の追加,WOCナースによる皮膚コンサルテーションの実施などの包括的な褥瘡予防ケアの褥瘡予防効果を検証した時系列研究がある1)。プログラム開始4ヵ月後に褥瘡発生率が有意に減少した(P=0.02)。これにより,長期ケア施設において包括的なプログラムやプロトコールを用いることは褥瘡予防に有効であるといえる。
120床の特別養護老人ホームを対象にブレーデンスケールをもとにした褥瘡予防ケアアルゴリズムの効果を検証したヒストリカル・コントロール研究がある2)。アルゴリズム使用前9ヵ月間にくらべて使用後9ヵ月間の褥瘡有病率が有意に減少した(P<0.01)と報告されている。これにより,長期ケア施設においてブレーデンスケールによるアルゴリズムを使用することは褥瘡予防効果があるといえる。

【文献】
1) Lyder CH, Shannon R, Empleo-Frazier O, et al:A comprehensive program to prevent pressure ulcers in long-term care:exploring costs and outcomes. Ostomy Wound Manage, 48(4):52-62, 2002.(レベルIV)
2) 真田弘美,須釜淳子,杉村静枝, ほか:特別養護老人ホームでの褥創ケアアルゴリズムの有効性の検討. 第25回日看会録(老人看護), 170-173, 1994.(レベルIV)


 

 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す