(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ10 体圧分散用具

【CQ 10.8】
ウレタンフォームマットレスを管理するうえで注意すべき点はあるか

【推奨文】
マットレスの劣化の程度を確認する。

【推奨度】 C1

【解説】
ウレタンフォームマットレスは時間が経過すると劣化する。劣化の一つとして「へたり」が報告されている。「へたり」とは,外力を取り除いてもひずみが残り変形した状態をさす。これに関する報告は,分析疫学的研究が2編1,2)ある。
購入5〜10年後のウレタンフォーム66枚のへたりを測定したところ平均値は10.7±6.0mm(range 0-30mm)であった。新品と比較し,へたり11mmのウレタンフォームマットレスは体圧値が有意に上昇していた(p<0.05)1)。また,部位別にへたりの程度を調査したところ,臀部,膝・肩関節,頭部・踵部などのうち,重みが加わっていた臀部に最もへたりを認めた(p<0.05)2)
以上のことから,ウレタンフォームマットレスを管理するうえでの注意点として,定期的にマットレスの劣化,ことに臀部のへたりの程度を確認することが重要である。

【文献】
1) 松原康美:ウレタンマットレスのヘタリと体圧分散効果の調査. ナーシング. 27(11):88-93, 2007.(レベルIV)
2) Heule EJ, Goossens RH, Mugge R, et al:Using an indentation measurement device to assess foam mattress quality. Ostomy Wound Manage, 53(11): 56-62, 2007.(レベルIV)


 

 
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