(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ6 発生予測
【CQ 6.4】
高齢者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか
【推奨文・推奨度】
高齢者には,どのようなリスクアセスメント・スケールを用いるとよいか
【推奨文・推奨度】
① | 寝たきり高齢者には,OHスケールを使用してもよい。 [推奨度C1] |
② | 寝たきり入院高齢者には,K式スケールを使用してもよい。 [推奨度C1] |
【解説】
大浦式褥瘡発生危険因子判定を用い,寝たきり入院患者424人の意識状態,仙骨突出度,浮腫,関節拘縮の4因子を,褥瘡あり群95人と褥瘡なし群318人について症例対照研究1)が行われている。平均合計スコアについて,褥瘡あり群は平均6.7点,褥瘡なし群は平均3.4点で有意差が認められた。大浦式褥瘡発生危険因子判定はその後見直され,精度の高いOHスケールとなっている。
寝たきり入院高齢者に用いるK式スケールの信頼性と妥当性が,前向きコホート研究2)により検討されている。信頼性の検討の結果,K式スケールはブレーデンスケールほどの経験や熟練を必要としなかった。また予測妥当性の検討では,前段階要因の特異度が29.0%であったのに対し,引き金要因の特異度は74.2%であった。以上のことから,K式スケールは体圧・湿潤・ずれの短期間に生じる変化を観察評価し,褥瘡発生時期の予測ができるという臨床的意義が認められている。
【文献】
1) | 藤岡正樹, 浜田裕一:大浦式褥瘡発生危険因子判定法の有効性の検討-寝たきり患者424症例の褥瘡発生状況から-. 褥瘡会誌, 6(1):68-74, 2004.(レベルIV) |
2) | 大桑麻由美, 真田弘美, 須釜淳子, ほか:K式スケール(金沢大学式褥瘡発生予測スケール)の信頼性と妥当性の検討-高齢者を対象にして-. 褥瘡会誌, 3(1): 7-13, 2001.(レベルIV) |