(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ5 リハビリテーション

【CQ 5.6】
座位姿勢を考慮することは有効か

【推奨文】
座位姿勢のアライメント,バランスなどを考慮してもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
座位姿勢が褥瘡に及ぼす影響については,症例報告が1編,ガイドラインが2編あるだけである。症例報告1)では,高齢者施設で尾骨部に浅い褥瘡が発症した3症例に対して,リハビリテーション専門職が運動学に基づいて褥瘡部に負荷をかけない座位姿勢やクッションの選択を行ったところ,車いす座位を維持しながら褥瘡が治癒した。また,NPUAP/EPUAPガイドラインでは2),「患者に受け入れられ,皮膚および軟部組織にかかる圧力とずれの影響を最小限に抑える体位を選択する」と記載されている。またWOCNが発表しているガイドラインにおいても「姿勢アライメント,荷重分布,バランス,安定性,そして除圧などを検討すべきである」と記載されている3)
これらより,車いす上の褥瘡を予防するには,座位姿勢について考慮してもよい。これを推奨度C1とした。

【文献】
1) 廣瀬秀行, 田中秀子, 間脇彩奈, ほか:適切な車いす座位を維持した状態は高齢者尾骨部褥瘡治癒を妨げない. 褥瘡会誌, 13(1):54-60, 2011.(レベルV)
2) National Pressure Ulcer Advisory Panel and European Pressure Ulcer Advisory Panel:Prevention and treatment of pressure ulcers:clinical practice guideline. National Pressure Ulcer Advisory Panel, Washington DC, 2009.
3) AHCPR:AHCPR Supported clinical practice guidelines. 3. Pressure ulcers in adults:prediction and prevention, Clinical practice guideline Number 3, AHCPR Pub. No.92-0047.


 

 
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