(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ4 全身管理

【CQ 4.11】
褥瘡患者に対して栄養の専門職およびチームの介入は行ったほうがよいか

【推奨文】
管理栄養士や栄養サポートチーム(NST)の介入を行ってもよい。

【推奨度】 C1

【解説文】
褥瘡管理における栄養サポートチーム(NST:nutrition support team)活動の経済効果についての研究1)では,NST稼働開始2年目で褥瘡発生率は14.9%から5.85%と約1/3に減少し,褥瘡処置に要した年間費用は,稼働2年目で激減した。NSTの経済効果については,ほかの文献2,3)でも同様の報告がある。また,NST介入により治癒や改善が認められたとする文献もあった4)が,件数が少なく,統計的処理の記載はなかった。
EPUAPの栄養ガイドラインによると,重度の褥瘡(Grade 3と4)の場合には,多職種チームは基礎代謝量を検討し,創からの滲出液の増加に特に注意を払うとよい5)と示されている。
ただし,介入時期は,どの文献も褥瘡予防の段階から必要であるとしており,栄養アセスメントを適切に行い,必要に応じて管理栄養士およびNSTの介入を行うことが求められる。ただし,褥瘡治癒促進の効果については,具体的に述べられたものはない。

【文献】
1) 奥出公美子, 東口髙志, 福村早代子, ほか:栄養療法に基づいた褥瘡管理の経済効果. 静脈経腸栄養, 17(4): 29-33, 2002.(レベルV)
2) 大檐克也, 磯崎泰介, 米川修, ほか:NST 活動の経済効果について. 聖隷浜松病医誌, 4(1):23-27, 2004. (レベルV)
3) 當麻俊彦, 北西正光, 長谷川潔:大腿骨頸部骨折治療におけるnutrition support teamの関わり. 中部整災誌, 48(4):659-660, 2005.(レベルV)
4) 小原仁, 栗原裕子, 土肥守:療養型リハビリテーション病棟におけるNutrition Support Teamによる栄養管理の有用性. IRYO, 59(6):300-305, 2005.(レベルV)
5) European Pressure Ulcer Advisory Panel:Nutritional guidelines for pressure ulcer prevention and treatment. Registered charity No:1066856, European Pressure Ulcer Advisory Panel, 2003.


 

 
ページトップへ

ガイドライン解説

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す

診療ガイドライン検索

close-ico
カテゴリで探す
五十音で探す