(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ4 全身管理
【CQ 4.2】
低栄養患者の褥瘡予防には,どのような栄養介入を行うとよいか
【推奨文】
蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)患者に対して,疾患を考慮したうえで,高エネルギー,高蛋白質のサプリメントによる補給を行うことが勧められる。
【推奨度】 B
低栄養患者の褥瘡予防には,どのような栄養介入を行うとよいか
【推奨文】
蛋白質・エネルギー低栄養状態(PEM)患者に対して,疾患を考慮したうえで,高エネルギー,高蛋白質のサプリメントによる補給を行うことが勧められる。
【推奨度】 B
【解説】
通常の食事だけでは十分な栄養摂取がむずかしいPEM(protein-energy malnutrition)患者における高エネルギー,高蛋白質のサプリメントの追加は,褥瘡予防に対して効果があるとされる1,2)。
コクランのシステマティック・レビュー1)によると,褥瘡予防と栄養補助食品について4つの検討が行われた。文献のうち,急性期の高齢患者に栄養補助食品を1日200kcal,15日間追加した群では,対照群に比較して褥瘡発生が少ない(295例 40.6%:377例 47.2%)ことが示された3)。大腿骨頚部骨折の患者に対して補給を行った研究では,臨床成績は良好な経過をたどり,合併症発症率も有意に低く4),褥瘡発生リスクの高い腰部骨折患者に補給した場合は,プラセボ群にくらべ,ステージIIの発症率が低く,発症までの期間も長かった5)。
したがって,文献のレベルから推奨度はBであるが,「疾患を考慮したうえで」との条件をつけた。
【文献】