(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ4 全身管理
【CQ 4.1】
褥瘡発生の危険因子として,どのような基礎疾患を考慮すればよいか
【推奨文】
骨盤骨折,糖尿病,脳血管疾患,脊髄損傷などを考慮する。
【推奨度】 C1
褥瘡発生の危険因子として,どのような基礎疾患を考慮すればよいか
【推奨文】
骨盤骨折,糖尿病,脳血管疾患,脊髄損傷などを考慮する。
【推奨度】 C1
【解説】
褥瘡発生の危険因子として考えられる種々の要因のうち,基礎疾患について検討したエビデンスを収集した。
慢性期病床に入院した観察開始時に褥瘡のない患者を対象とした研究1)では,基礎疾患として,脳血管疾患に褥瘡発生との有意な関連を認めた。ナーシングホームのデータベースによる研究2)では,骨盤骨折,糖尿病,末梢血管疾患に,また同様の条件の別の研究3)では,糖尿病に有意な関連を認めた。一方,外来患者75,158例のデータベース4)では,悪性腫瘍,アルツハイマー病,うっ血性心不全,関節リウマチ,骨粗鬆症,深部静脈血栓症,糖尿病,尿路感染症,脳血管疾患,パーキンソン病,慢性閉塞性肺疾患に有意な関連を認めた。なお米国創傷治癒学会のガイドライン5)では,褥瘡発生の危険因子として脊髄損傷が記載されている。
上記の基礎疾患は褥瘡発生の危険因子として考慮してもよいが,関係がないとする報告もある。そこで,本ガイドラインでは複数の研究で有意差のあった骨盤骨折,糖尿病,脳血管疾患と,ガイドラインに記載された脊髄損傷を特に注意を払うべき疾患としてあげる。
【文献】