(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ3 外科的治療
【CQ 3.7】
肉芽組織が少ない場合には,どのような物理療法があるか
【推奨文】
感染・壊死がコントロールされた創には陰圧閉鎖療法を行ってもよい。
【推奨度】 C1
肉芽組織が少ない場合には,どのような物理療法があるか
【推奨文】
感染・壊死がコントロールされた創には陰圧閉鎖療法を行ってもよい。
【推奨度】 C1
【解説】
陰圧閉鎖療法(negative pressure wound therapy:NPWT)は,創面全体を閉鎖性ドレッシング材で覆い,創面を陰圧に保つことによって創部を管理する方法である。
文献レビューならびに他のガイドラインで検討されている器具は,陰圧創傷治療システムとして製品化されたものである。この場合,創面は専用のスポンジで被覆し,内圧は-125mmHgが基本となる1-3)。
WOCN4)やNPUAP/EPUAP5)などのガイドラインでは,従来の治療と比較した場合,褥瘡を浅くする作用,創の治癒が速いこと,肉芽形成を促進することから,高いエビデンスレベル(B)を有するとしている。糖尿病性潰瘍,静脈性潰瘍,褥瘡,外傷など慢性潰瘍を対象とした2件のメタ・アナリシス1,3)では,陰圧閉鎖療法の優位性を認めている。しかし,褥瘡治癒に対するVAC®システムの有効性を検証したランダム化比較試験6)ではwet to dry dressingや外用剤による治療と比較して有意差は認められなかったとされている。
褥瘡の治癒をエンドポイントと考えた場合,感染・壊死がコントロールされている場合,陰圧閉鎖療法を行ってもよいが,強く推奨するものではない。
【文献】