(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)
ガイドライン各論
CQ3 外科的治療
【CQ 3.1】
感染・炎症がある場合に外科的デブリードマンを行ってよいか
【推奨文】
膿汁や悪臭,あるいは骨髄炎を伴う感染巣には,外科的デブリードマンを行ってもよい。
【推奨度】 C1
感染・炎症がある場合に外科的デブリードマンを行ってよいか
【推奨文】
膿汁や悪臭,あるいは骨髄炎を伴う感染巣には,外科的デブリードマンを行ってもよい。
【推奨度】 C1
【解説】
抗生剤の全身投与や局所抗菌外用剤・ドレッシング材による治療に抵抗する,感染を有する褥瘡に対しては外科的デブリードマンを考慮する。局所に形成された膿瘍や貯留滲出液は,周囲への拡大や全身的感染症へと進展するのを防ぐために,切開排膿する必要がある。
硬く厚い壊死組織が固着した状況で発熱や局所の炎症(発赤,腫脹,疼痛,),悪臭を認める場合,壊死組織の下に膿が貯留している可能性がある。このため壊死組織の一部を切開し,膿の有無を確認することが推奨される1)。特に敗血症の原因となっている場合には,壊死組織を切開し排膿のあと,全身状態を考慮しながら早急に壊死組織を除去することが望ましい。
感染の鎮静化に外科的デブリードマンが有効であるとする症例対照研究2)がある。また,NPUAP/EPUAP3),WOCN4)のガイドラインでは,褥瘡による蜂窩織炎,膿汁,敗血症のあるときに外科的デブリードマンをエビデンスの強さCとして推奨している。そのほかには,感染に対する外科的治療は,教科書的,総説的記載しかない。
褥瘡に随伴する骨髄炎の外科的治療についてのエビデンスレベルの高い論文は存在しない。また,褥瘡以外の骨髄炎を対象として,腐骨広範囲切除による再発率低下を示した50症例のコホート研究5)がある。
【文献】