(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ1 外用剤

【CQ 1.16】
ポケットを有する場合,どのような外用剤を用いたらよいか

【推奨文】
ポケット内に壊死組織が残存する場合は,まず創面の清浄化を図る。また,滲出液が多ければポビドンヨード・シュガーを用いてもよい。滲出液が少なければトラフェルミン,トレチノイントコフェリルを用いてもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
外用剤を用いた褥瘡の治療においてポケットが評価項目となっている文献は限定されている。ポケットの治療にあたってはまず壊死組織の除去が重要であり,創面の清浄化を図る必要がある。また,経過中感染を引き起こすことがしばしばあるため注意が必要である。
ポビドンヨード・シュガーのポケットへの使用に関しては,ケースシリーズが1)あり,そのなかの観察項目でポケットの改善がみられている。
トラフェルミンのポケットへの使用に関しては症例対照研究が2)あり,エビデンスレベルIVであるが,対照群とくらべて効果がみられる傾向があるものの有意差にはいたっていない。
トレチノイントコフェリルのポケットへの使用に関しては,エキスパートオピニオンのみである。以上より,滲出液が多い場合はポビドンヨード・シュガー,滲出液が少ない場合はトラフェルミン,トレチノイントコフェリルを用いてもよい。

【文献】
1) 宮地良樹, 河盛隆造:糖尿病を合併した褥瘡, 皮膚潰瘍に対するユーパスタコーワの検討. 皮紀, 93: 239-248, 1998.(レベルV)
2) Robson MC, Phillips LG, Lawrence WT, et al:The safety and effect of topically applied recombinant basic fibroblast growth factor on the healing of chronic pressure sores. Ann Surg, 216(4):401-408, 1992.(レベルII)


 

 
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