(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン(第3版)

 
ガイドライン各論

CQ1 外用剤

【CQ 1.13】
肉芽形成が不十分で臨界的定着が疑われる場合,どのような外用剤を用いたらよいか

【推奨文】
抗菌作用を有するカデキソマー・ヨウ素,ポビドンヨード・シュガー,ヨウ素軟膏もしくはスルファジアジン銀を用いてもよい。

【推奨度】 C1

【解説】
臨界的定着は創の治癒遷延をきたす重要な病態として注目されるが,これのみに着目した比較試験はない。ヨウ素軟膏については細菌増殖抑制効果に言及したケーススタディが2編1,2),また,カデキソマー・ヨウ素,ポビドンヨード・シュガーの効果を比較検討した報告がありエビデンスレベルIIIだが,褥瘡は1例のみである3)。感染制御を目的とする外用剤の選択に準じ,ケーススタディおよびエキスパートオピニオン4-6)を踏まえて推奨する。

【文献】
1) 永井弥生, 天野博雄, 岡田悦子, ほか:褥瘡に対するヨードコート軟膏0.9%の治療効果. 新薬と臨床, 59 (7):1215-1223, 2010.(レベルV)
2) 立花隆夫, 藤井紀和, 若林麻記子, ほか:黄色期褥瘡に対する0.9%ヨウ素含有軟膏の治療効果の検討. 褥瘡会誌, 12(4):513-519, 2010.(レベルV)
3) 高木誠司, 牧野太郎, 小坂正明, ほか:慢性創傷におけるヨウ素製剤の細菌制御効果-精製白糖・ポピドンヨードとカデキソマー・ヨウ素製剤との比較-. 褥瘡会誌, 11(4):528-532, 2009.(レベルIII)
4) 今村貞夫:褥瘡に対する白糖・ポビドンヨード製剤(ユーパスタコーワ)の長期投与における有効性と安全性の検討. 皮紀, 93(2):223-233, 1984.(レベルV)
5) 立花隆夫:critical colonizationとは. 臨皮, 63(5): 42-46, 2009.(レベルVI)
6) 館正弘:褥瘡創部の細菌コントロール. 褥瘡会誌, 11(2):101-104, 2009.(レベルVI)


 

 
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