(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン
ブレーデンQスケール
圧の強さと持続時間 | 得点 | ||||
可動性 | 1.まったく体動なし 介助なしでは、体または四肢を少しも動かさない。 | 2.非常に限られる 時々体幹または四肢を少し動かす。しかし、しばしば自力で動かしたり、または有効な(圧迫を除去するような)体動はしない。 | 3.やや限られる 少しの動きではあるが、しばしば自力で体幹または四肢を動かす。 | 4.自由に体動する 介助なしで頻回にかつ適切な(体位を変えるような)体動をする。 | |
活動性 | 1.臥床 ねたきりの状態である。 | 2.坐位可能 ほとんど、またはまったく歩けない。自力で体重を支えられなかったり、椅子や車椅子に座るときは、介助が必要であったりする。 | 3.ときどき歩行可能 介助の有無にかかわらず、日中時々歩くが、非常に短い距離に限られる。各勤務時間内に、ほとんどの時間を床上で過ごす。 | 4.幼すぎて歩けないすべての患者;もしくは歩行可能 起きている間は少なくとも1日2回は部屋の外を歩く。そして少なくとも2時間に1度は室内を歩く。 | |
知覚の認知 | 1.まったく知覚なし 痛みに対する反応(うめく、避ける、つかむなど)なし。この反応は意識レベルの低下や鎮静による。あるいは、体のおおよそ全体にわたり痛覚の障害がある。 | 2.重度の障害あり 痛みにのみ反応する。不快感を伝えるときはうめくことや身の置き場なく動くことしかできない。あるいは、知覚障害があり、体の1/2以上にわたり痛みや不快感の感じ方が完全ではない。 | 3.軽度の障害あり 呼びかけに反応する。しかし、不快感や体位変換のニードを伝えることがいつもできるとは限らない。あるいは、いくぶん知覚障害があり、四肢の1,2本において痛みや不快感の感じ方が完全ではない部分がある。 | 4.障害なし 呼びかけに反応する。知覚欠損はなく、痛みや不快感を訴えることができる。 | |
組織耐久性と支持組織 | |||||
湿潤 | 1.常に湿っている | 2.たいてい湿っている | 3.ときどき湿っている | 4.めったに湿っていない | |
摩擦とズレ 摩擦:皮膚が支持面に反して動くときに起こる。 ズレ:皮膚と隣接する骨がそれぞれ反対側に滑るときに起こる。 | 1.著しく問題あり 痙攣、拘縮、振戦は持続的に摩擦を引き起こす。 | 2.問題あり 移動のためには中等度から最大限の介助を要する。シーツでこすれずに体を移動することは不可能である。しばしば床上や椅子の上でもずり落ち、全面介助で何度も元の位置に戻すことが必要となる。 | 3.潜在的に問題あり 弱々しく動く、または最小限の介助が必要である。移動時皮膚は、ある程度シーツや椅子、抑制帯、補助具などにこすれている可能性がある。たいがいの時間は、椅子や床上で比較的良い体位を保つことができる。 | 4.問題なし 体位変換時に完全に持ち上げることができる。自力で椅子や床上を動き、移動中十分に体を支える筋力を備えている。いつでも椅子や床上で良い体位を保つことができる。 | |
栄養状態 普通の食事摂取状況 | 1.非常に不良 絶食であったり、透明な流動食なら摂取する。または末梢点滴を5日間以上続けている。または、アルブミン値が2.5g/dL未満、あるいは、決して全量摂取しない。出された食事の1/2以上を食べることはめったにない。たんぱく質・乳製品は1日2皿のみの摂取である。水分摂取が不足している。消化態栄養剤の補充はない。 | 2.不良 流動食や経管栄養を受けているが、年齢相応の十分なカロリーやミネラルは供給されていない。または、アルブミン値が3g/dL未満、またはめったに全量摂取しない。普段は出された食事の約1/2しか食べない。たんぱく質・乳製品は1日3皿分の摂取である。時々消化態栄養剤を摂取することがある。 | 3.良好 経管栄養や高カロリー輸液を受けており、年齢相応の十分なカロリーやミネラルが供給されている。またはたいていは1食につき半分以上は食べる。たんぱく質・乳製品を1日4皿分摂取する。時々食事を拒否することもあるが、勧めれば通常補食する。 | 4.非常に良好 年齢相応の十分なカロリーが正常な栄養法で供給されている。 例えば:毎食あるいは授乳ごとにおおよそ食べるあるいは飲む。食事は決して拒否しない。通常はたんぱく質・乳製品は1日4皿分以上摂取する。時々間食(おやつ)を食べる。補食する必要はない。 | |
組織灌流と酸素化 | 1.極度に低下している 低血圧(平均動脈血圧が50mmHg未満;新生児では40mmHg未満)または生理学的に体位変換に耐えられない。 | 2.低下している 正常血圧、酸素飽和度95%未満、またはHbが10g/dL未満、または毛細血管再充満が2秒以上;血清pHが7.40未満 | 3.良好 正常血圧、酸素飽和度95%未満、またはHbが10g/dL未満、または毛細血管再充満が2秒以上;血清pH正常 | 4.非常に良好 正常血圧、酸素飽和度95%以上、Hb値正常;そして毛細血管再充満が2秒以下 | |
* Quigley SM , Curley MA. Skin integrity in the pediatric population: preventing and managing pressure ulcers. J Soc Pediatr Nurs. 1996;1(1):7-18. (翻訳は、宮坂らによるものを掲載し、一部文献より引用・加筆したものである) | 計: | ||||