(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第3章 褥瘡の治療


慢性期褥瘡の局所治療 Clinical Questions
深い褥瘡(D)の場合
4.Iをiにする 感染・炎症の制御


CQ1 どのような外用薬を用いたらよいか

推奨

A.カデキソマー・ヨウ素
【エビデンスレベル】
デキストラノマー、フィブリノリジン・デオキシリボヌクレアーゼ配合剤、あるいは、主剤の一部であるデキストリンポリマー単独とのランダム化比較試験が3編123あり、観察項目の膿量ではデキストラノマーと有意差を認め1、疼痛の程度ではフィブリノリジン・デオキシリボヌクレアーゼ配合剤と有意差を認めている2が、デキストリンポリマーとの有意差はない3。また、エビデンスレベルIIとなるが、薬剤の色もしくは性状から判別できるので非盲検のランダム化比較試験である。

【解説】
  • ヨウ素の徐放能により持続的な殺菌作用を発揮する4
  • デキストリンポリマーによる滲出液や細菌などの吸収作用を有する567
  • 散剤と軟膏とでは、吸水性が異なる(軟膏は散剤の1/2)78
  • 滲出液が乏しい場合には、創面が乾燥してかえって創傷治癒が遅延する恐れがある。
  • 肉芽組織が盛り上がった段階では、ヨードによってかえって肉芽組織が傷害される恐れがある。
  • 交換時、十分な洗浄により古いポリマービーズを残さないことが大切である。
  • 1g中にヨウ素を9mg含有するので、ヨードアレルギーに注意する。

【参考文献】
1. 石橋康正,大河原章,久木田淳,他.各種皮膚潰瘍に対するNI-009の臨床評価 デブリサン(R)を対照薬とした群間比較試験.臨床医薬.1990;6(4):785-816.
2. 久木田淳,大浦武彦,青木虎吉,他.各種皮膚潰瘍に対するNI-009の臨床評価 エレース(R)-C軟膏を対照薬とした群間比較試験.臨床医薬.1990;6(4):817-48.
3. 安西 喬,他.各種皮膚潰瘍に対するNI-009の有用性の検討 基剤を対照とした群間比較.臨医薬.1989;5:2585-612.
4. 黒崎美保,能登ゆかり,竹森真美子,吉野三智子,宮本鉄雄,野村純子,上滝博夫.カデックス軟膏0.9%の殺菌作用及びヨウ素放出性について.薬理と治療.2001;29(11):839-47.
5. Hellgen L, et al. Absorbtion effect in vitro of iodophor gel on debris fractions in leg ulcers. Perstort社社内資料―鳥居薬品株式会社カデックス軟膏文献集.
6. Lawrence JC, et al. Studies on the distribution of bacteria within two modern synthetic dressings using an artificial wound. Perstort社社内資料―鳥居薬品株式会社カデックス軟膏文献集.
7. 上滝博夫,太田豊久,村瀬 均,他.皮膚潰瘍治療薬NI-009の有効薬理 ラットを用いた皮膚欠損傷,褥瘡および熱傷モデルにおける検討.臨床医薬.1990;6(3):627-38.
8. 金子哲男,松本一騎,古屋洋子,佐竹美由紀,石倉文子.カデックス軟膏0.9%の物性及び配合変化に関する研究.薬理と治療.2001;29(9):603-10.



B.スルファジアジン銀
【エビデンスレベル】
感染抑制作用に関する論文には、ポビドンヨード・シュガー、ポビドンヨード、プラセボ、および、硫酸ゲンタマイシンとのランダム化比較試験が4編1234あり、文献1では有意差を認めている。また、エビデンスレベルIIであるが、薬剤の色もしくは性状からも判別できない盲検のランダム化比較試験は文献4のみである。

【解説】
  • 含有される銀自体の細胞膜、細胞壁に対する抗菌作用により創面の感染制御効果を発揮する56
  • 含有される銀はMRSAを含めた黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を抑制する7
  • 基剤には水分を60%含む乳剤性基剤が用いられている。また、基剤の浸透特性により壊死組織の軟化・融解が生じることで、創面の清浄化作用を発揮する8
  • 滲出液が多いときは、創面の浮腫を来たす恐れがあるので使用には注意する。
  • ポビドンヨードと併用すると効力が低下する。
  • 他剤と混合しない。特に外皮用酵素製剤との併用は避ける。

【参考文献】
1. 鳥羽研二,須藤紀子,長野宏一朗,他.高齢者のメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)感染褥瘡の治療に関する研究.日本老年医学会雑誌.1997;34(7):577-82.
2. Kucan JO, Robson MC, Heggers JP, Ko F. Comparison of silver sulfadiazine, povidone-iodine and physiologic saline in the treatment of chronic pressure ulcers. J Am Geriatr Soc. 1981;29(5):232-5.
3. 由良二郎,安藤正英,石川 周.Silver sulfadiazine(T107)の褥瘡,慢性皮膚潰瘍に対する臨床評価 二重盲検法によるplaceboとの比較検討.日本化学療法学会雑誌.1984;32(4):208-22.
4. 107中国地区研究班.褥瘡など慢性皮膚潰瘍に対するSilver Sulfadiazine Cream(T-107)とGentamicin Sulfate Creamの二重盲検試験.西日本皮膚科.1984;46(2):582-91.
5. Rosenkranz HS, Carr HS. Silver sulfadiazine: effect on the growth and metabolism of bacteria. Antimicrob Agents Chemother. 1972;2(5):367-72.
6. Coward JE, Carr HS, Rosenkranz HS. Silver sulfadiazine: effect on the ultrastructure of Pseudomonas aeruginosa. Antimicrob Agents Chemother. 1973;3(5):621-4.
7. 秋山尚範,多田讓治,荒田次郎.【臨床皮膚科-最近のトピックス Clinical Dermatology 1999】皮膚疾患の病態 バイオフィルム(biofilm).臨床皮膚科.1999;53(5):59-63.
8. 立花隆夫,宮地良樹.【褥瘡の治療に関するupdate】薬剤による保存的治療.形成外科.2003;46(5):459-70.



C.ポビドンヨード・シュガー
【エビデンスレベル】
感染抑制効果に関する論文には、塩化リゾチームとのランダム化比較試験1と塩化リゾチームの合剤とのランダム化比較試験2があり、前者では対照群との有意差を認め後者では有意差を認めていない。エビデンスレベルIIであるが、薬剤の色もしくは性状から判別できるので非盲検のランダム化比較試験である。

【解説】
  • 含有されるヨウ素の抗菌作用により感染抑制作用を発揮する3456
  • 白糖は細菌の成長を阻害する創面の感染制御作用のみならず、MRSAを含めた黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成を抑制する7
  • 白糖の吸水作用により創面の浮腫を軽減するとともに、線維芽細胞のコラーゲン合成を促進して良好な肉芽形成効果を発揮する8
  • 滲出液が乏しい場合には、創面が乾燥してかえって創傷治癒が遅延する恐れがある。
  • 肉芽組織が盛り上がった段階では、ポビドンヨードによってかえって肉芽組織が傷害される恐れがある。
  • 100g中にポビドンヨードを3.0g含有するので、ヨードアレルギーに注意する。

【参考文献】
1. 今村貞夫,内野治人,井村裕夫,他.白糖・ポビドンヨード配合軟膏(KT-136;KT)の褥瘡に対する有用性の検討 塩化リゾチーム軟膏(LO)を対照にした比較臨床試験.薬理と治療.1989;17(Suppl.1):255-80.
2. 斎藤義雄,古瀬善朗,石井敏直,他.褥瘡に対する白糖ポビドンヨード軟膏(UPK;ユーパスタコーワ)と塩化リゾチーム軟膏(RFK;リフラップ軟膏)配合白糖ポビドンヨード軟膏の無作為化比較試験による臨床研究.薬理と治療.1994;22(5):2403-13.
3. 金箱 真,稲木敏男.ユーパスタコーワの吸水作用.医学と薬学.1994;31(5):1159-62.
4. 武内英二,大塩学而,浜島義博,他.Sugarの切創治癒過程の病理組織学的検討.皮膚科紀要.1987;82(3):359-63.
5. 白石 正,高橋信明,仲川義人.MRSAおよび緑膿菌に対するユーパスタ(R)の殺菌効果.薬理と治療.1992;20(7):2455-8.
6. 朝田康夫,臼井 通,福井 巌,他.臨床分離株に対するKT-136の殺菌作用.薬理と治療.1991;19(10):3851-4.
7. 中尾裕史,坪井良治,小川秀興.白糖・ポビドンヨード混合製剤の創傷治癒促進メカニズム 培養細胞及び動物モデルを用いた解析.Therapeutic Research. 2002;23(8):1625-9.
8. 山崎 修,秋山尚範,大野貴司,岩月啓氏.黄色ブドウ球菌のバイオフィルムに対する白糖・ポビドンヨード配合軟膏(ユーパスタ)の効果.Therapeutic Research. 2002;23(8):1619-22.



D.ポビドンヨード
【エビデンスレベル】
感染抑制効果を検討した介入研究はないが、症例報告1があり、エビデンスレベルVである。

【解説】
  • ポビドンヨードを10%含有する外用消毒薬である。
  • ヨウ素の抗菌作用により感染抑制作用を発揮する。
  • 殺菌効果はポビドンヨード・シュガーより強い23
  • 細菌(MRSAを含む)のみならず、ウイルスに対しても強い殺菌(あるいは不活化)作用を有する45
  • 大量に使用すると一過性の甲状腺機能低下を起こしうる。
  • ゲルの基剤として吸水性のよいマクロゴールを用いる。
  • ヨードアレルギーに注意する。

【参考文献】
1. 福井米正.若干の皮膚疾患に対するイソジンゲルの使用経験.基礎と臨.1979;13:4440-4.
2. 白石 正,高橋信明,仲川義人.MRSAおよび緑膿菌に対するユーパスタ(R)の殺菌効果.薬理と治療.1992;20(7):2455-8.
3. 朝田康夫,臼井 通,福井 巌,他.臨床分離株に対するKT-136の殺菌作用.薬理と治療.1991;19(10):3851-4.
4. 日本薬局方解説書編集委員会 編.第十四改正日本薬局方 条文と注釈.廣川書店,東京.2001;2005-7.
5. 日本病院薬剤師会 編.院内における消毒剤の使用指針 改訂版.薬事日報社,東京.1998;49-50.



E.ヨードホルム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に感染抑制作用に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • ヨウ素の抗菌作用により感染抑制作用を発揮する。
  • ガーゼに蒸着された形で利用される。
  • 本剤そのものには殺菌作用はなく、ヨードホルムが血液や分泌液に溶けて分解、遊離したヨウ素が殺菌作用を発揮する1
  • 防腐、制臭、分泌抑制作用、軽度の鎮痛作用を示す1
  • 少量では無害であるが、大量に用いると中毒症状を呈しうる。
  • ヨードアレルギーに注意する。

【参考文献】
1. 日本薬局方解説書編集委員会 編.第十四改正日本薬局方 条文と注釈.廣川書店,東京.2001;2181-2.



F.硫酸フラジオマイシン・トリプシン
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に感染抑制作用に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 硫酸フラジオマイシンの抗菌作用により感染抑制作用を発揮する123
  • 線維性滲出物の溶解や滲出液の粘稠度を下げることで、病巣および周辺の膿苔、線維素、壊死組織などを融解除去する145
  • ポビドンヨードやスルファジアジン銀と併用すると効力が低下する。

【参考文献】
1. Davies J. Structure-activity relationships among the aminoglycoside antibiotics: comparison of the neomycins and hybrimycins. Biochim Biophys Acta. 1970;222(3):674-6.
2. 関 巖,他.フランセチンTパウダーによる創傷治療.新薬と臨.1964;13:344-8.
3. 柴田清人,他.抗生剤と消炎酵素剤の併用.治療.1972;54:1447-51.
4. 吉田 博,他 編.生化学的薬理学.朝倉書店,東京.1971;443-6.
5. 野口義圀,他.酵素トリプシンの臨床的研究.皮膚科性病科雑誌.1954;64:497-506.



CQ2 どのようなドレッシング材を用いたらよいか

推奨
推奨度 C1 感染抑制作用を有する外用薬の使用を推奨する。もしくは、銀含有のハイドロファイバー®を使用してもよい。
推奨度 C2 滲出液が多い場合に吸収性の高いアルギン酸塩が用いられることもあるが、感染制御の機能はない。


A.銀含有のハイドロファイバー®
【エビデンスレベル】
銀含有ドレッシング材とその他のドレッシング材を比較したランダム化比較試験文献2編12と、それらを集約したシステマティック・レビューが1編3あり、エビデンスレベル I である。しかし、ランダム化比較試験論文で対象となった銀含有ドレッシング材と本邦で入手可能なドレッシング材は銀含有濃度に相違があり、また、感染制御効果に関するエビデンスも不足している。

【解説】
  • ●ランダム化比較試験文献に記載されている銀含有製材と本邦で入手可能な銀含有のハイドロファイバー®の銀濃度は異なる。また、1〜4週間での1日あたりの治癒率には有意差があるものの、感染に関するアウトカムの記述がないため、システマティック・レビューでは、感染制御にその使用を勧めるエビデンスは不足していると結論している。さらに、本邦の添付文書の警告欄には「明らかな感染創には慎重に使用すること」と記載されており、その有効性を十分に支持できないため推奨度を2ランク下げた。
  • 銀イオンが放出され、滲出液に含まれた細菌を迅速かつ効果的に抗菌する。
  • 水分を線維の縦方向へ吸収し、横方向への広がりをおさえるため、創傷周囲皮膚の浸軟を予防する。
  • 緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など、創傷部位に一般的に見られる細菌に対して抗菌効果を発揮する。

【参考文献】
1. Meaume S, Vallet D, Morere MN, Téot L. Evaluation of a silver-releasing hydroalginate dressing in chronic wounds with signs of local infection. J Wound Care. 2005;14(9):411-9.
2. Münter KC, Beele H, Russell L, Crespi A, Gröchenig E, Basse P, Alikadic N, Fraulin F, Dahl C, Jemma AP. Effect of a sustained silver-releasing dressing on ulcers with delayed healing: the CONTOP study. J Wound Care. 2006;15(5):199-206.
3. Vermeulen H, van Hattem JM, Storm-Versloot MN, Ubbink DT. Topical silver for treating infected wounds. Cochrane Database Syst Rev. 2007;(1):CD005486.



B.アルギン酸塩
【エビデンスレベル】
感染創に使用した症例集積研究が1編1あり、エビデンスレベルVである。また、感染創において有意に感染が治まったとされるが、それ自体に感染制御力はないため、厳重な管理下でない限りその使用は勧められない。

【解説】
  • 自重の約20倍の吸収力があり、滲出液の吸収速度が速い。
  • 感染創には滲出液ドレナージの目的で頻回交換を条件にして使用する場合もある。

【参考文献】
1. 塚田邦夫.化膿創にアルギン酸カルシウムドレッシング材(カルトスタット)は使えるか.Progress in Medicine. 1998;18(1):136-47.



CQ3 消毒は必要か

推奨
推奨度 C1 洗浄のみで十分であり、通常は必要ないが、明らかな創部の感染を認め、滲出液や膿苔が多いときには洗浄前に消毒を行ってもよい。


【エビデンスレベル】
感染した創面への消毒の是非に関する論文はエキスパートオピニオン以外になく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • in vitroデータから消毒薬が細胞毒を有すること123は明らかであるが、代表的な消毒薬であるポビドンヨードのin vivoデータのメタ・アナリシス解析4によると、使用当初は創傷治癒を遅延させるかもしれないが、全経過を通じては創傷治癒を妨げないとされた。
  • 「清浄化された創面への消毒は百害あって一利なし」はエキスパートオピニオンの統一した見解であるが、感染創に関しては、洗浄のみで十分であり、消毒は必要ないとするエキスパートオピニオン567もあれば、感染創に限ってのみ使用を認めるべきだというエキスパートオピニオン89があるなど意見の一致をみていない。
  • 1994年のAHCPRガイドライン10では「感染性褥瘡であっても洗浄剤や消毒薬は必要なく、生理食塩水による洗浄のみで十分である」としていたが、1999年のEPUAPガイドライン11では明らかな感染があって創部の滲出液や膿苔が異常に多いときには消毒薬の使用を容認、一方、2003年のWOCNガイドライン12では洗浄剤の使用を容認している。したがって、治療前半の壊死組織除去と感染制御を目的とした時期といえども、基本的には生理食塩水や蒸留水などによる洗浄のみで十分であるが、明らかな感染徴候を認めるときには洗浄前に創部の消毒を行ってもよいと思われる。
  • 後半の創が清浄化された時期においては、消毒を行わず洗浄を継続するとともになるべく局所の湿潤環境を維持して肉芽形成を促進させたほうがよい。

【外皮用消毒薬】
  • 創傷部位に使用できる消毒用医薬品13製剤(五十音順に示す)の特徴を簡単に説明する13141516)。また、“ヒト褥瘡に○○を使用すると、プラセボまたは従来の消毒薬使用と比べて治癒が促進するか?”のClinical Questionに対するエビデンスレベルを検索したので、併せて記載する。
  • これら消毒薬は希釈して創面に用いる製品が多いので、使用に際しては至適濃度となるように注射用か滅菌精製水で希釈する。また、一般に石鹸の使用は消毒薬の殺菌作用を弱めるので、十分に洗い落としてから使用する。


表 創傷部位に使用できる消毒用医薬品
消毒作用 消毒薬の種類 一般名 剤型
酸化作用を有するもの ヨウ素系 ヨウ素
ヨードチンキ
ポビドンヨード 液・ゲル
ヨードホルム 散・ガーゼ
過酸化物系 過マンガン酸カリウム
オキシドール
細胞膜に障害を与えるもの ビグアナイド系 グルコン酸クロルヘキシジン
界面活性作用による細胞膜変性作用を有するもの 四級アンモニウム塩系 塩化ベンザルコニウム
塩化ベンゼトニウム
両性界面活性剤系 塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
蛋白質の吸着・凝固変性作用を有するもの 水銀系 マーキュロクロム
酵素系を阻害するもの 色素系 アクリノール
塩化メチルロザニリン


【参考文献】
1. Lineaweaver W, Howard R, Soucy D, McMorris S, Freeman J, Crain C, Robertson J, Rumley T. Topical antimicrobial toxicity. Arch Surg. 1985;120(3):267-70.
2. Teepe RG, Koebrugge EJ, Loöwik CW, Petit PL, Bosboom RW, Twiss IM, Boxma H, Vermeer BJ, Ponec M. Cytotoxic effects of topical antimicrobial and antiseptic agents on human keratinocytes in vitro. J Trauma. 1993;35(1):8-19.
3. Cooper ML, Laxer JA, Hansbrough JF. The cytotoxic effects of commonly used topical antimicrobial agents on human fibroblasts and keratinocytes. J Trauma. 1991;31(6):775-82; discussion 782-4.
4. Mayer DA, et al. Povidone-iodine and wound healing: a critical review. Wound. 1993;5:14-23.
5. Goode PS, Thomas DR. Pressure ulcers. Local wound care. Clin Geriatr Med. 1997;13(3):543-52.
6. Maklebust J. Treating pressure ulcers in the home. Home Healthc Nurse. 1999;17(5):307-15; quiz 316.
7. Cervo FA, Cruz AC, Posillico JA. Pressure ulcers. Analysis of guidelines for treatment and management. Geriatrics. 2000;55(3):55-60; quiz 62.
8. Doughty D. A rational approach to the use of topical antiseptics. J Wound Ostomy Continence Nurs. 1994;21(6):224-31.
9. Phillips D, Davey C. Wound cleaning versus wound disinfection: a challenging dilemma. Perspectives. 1997;21(4):15-6.
10. Bergstrom N, et al. US Department of Health and Human Services. Public Health Service, Agency for Health Care Policy and research. Rockville Maryland. Treatment of Pressure Ulcers Clinical Practice Guidelines number 15. AHCPR Publication. No95-0652, 1994.
11. European Pressure Ulcer Advisory Panel. Pressure ulcer treatment guidelines. EPUAP business office Oxford. 1999.
12. Wound,Ostomy,and Continence Nurses Society. Guideline for Prevention and Management of Pressure Ulcers. WOCN society Glenview,IL. 2003.
13. 日本薬局方解説書編集委員会 編.第十四改正日本薬局方 条文と注釈.廣川書店,東京.2001.
14. 日本病院薬剤師会 編.院内における消毒剤の使用指針 改訂版.薬事日報社,東京.1998.
15. 神谷 晃,他 監修.消毒剤マニュアル―消毒剤の特徴・使用法・使用上の留意点―.健栄製薬,大阪.2003.
16. 大久保憲 監修.エビデンスに基づいた感染対策の立場から.Y's Text 消毒薬テキスト:吉田製薬,東京.2002.



A.アクリノール
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原末を溶解し皮膚創傷面には0.05〜0.2%溶液、粘膜面には0.05〜0.1%溶液として用いるが、目の消毒には使用できない。
  • 細菌に対して有効であるが、長時間の接触が必要である。
  • 生体組織に対する刺激性はなく、血清や蛋白質の存在下でも効果は低下しない。
  • 収斂作用による抗炎症効果を併せ持つ。



B.塩化ベンザルコニウム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原液(塩化ベンザルコニウムを10w/v%含有)の400〜1,000倍希釈で皮膚創傷面、粘膜面のみならず、目の消毒にも使用できる。
  • 細菌のみならず真菌にも有効であるが、結核菌およびウイルスに対する殺菌効果はない。また、MRSAに対しても有効とされる。
  • 逆性石鹸である。
  • 血清、滲出液などにより殺菌作用は低下する。



C.塩化ベンゼトニウム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原液(塩化ベンゼトニウムを10w/v%含有)の400〜1,000倍希釈で皮膚創傷面、粘膜面のみならず、目の消毒にも使用できる。
  • 細菌のみならず真菌にも有効であるが、結核菌およびウイルスに対する殺菌効果はない。
  • 逆性石鹸である。
  • 血清、滲出液などにより殺菌作用は低下する。



D.塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 皮膚創傷面、粘膜面の消毒には原液(塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを10w/v%含有)の200〜1,000倍希釈を用いるが、目の消毒には使用できない。
  • 細菌、真菌のみならず結核菌にも有効であるが、ウイルスに対する殺菌効果はない。また、MRSAに対しても有効とされる。
  • 両性界面活性剤であり、強い殺菌力と洗浄力を有する。
  • 血清、滲出液などにより殺菌作用は低下する。



E.オキシドール
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 皮膚創傷面の消毒には原液(過酸化水素を2.5〜3.5w/v%含有)のまま、あるいは2〜3倍希釈、粘膜面の消毒には2倍希釈を用いるが、目の消毒には使用できない。
  • 細菌、特にグラム陰性菌に対して有効である。
  • 血液や滲出液に接すると、これらに含まれるカタラーゼの作用により分解して大量の酸素を発生する。
  • 空気塞栓を起こしうるので、長期間または広範囲の使用は避ける。



F.過マンガン酸カリウム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原末を溶解し0.01〜0.1%溶液として皮膚創傷面に用いるが、粘膜面と目の消毒には使用しない。
  • 細菌、真菌に対して有効である。
  • 血液や滲出液に接すると酸素を発生し、殺菌作用を示す。
  • 収斂作用による抗炎症効果を併せ持つ。



G.グルコン酸クロルヘキシジン
【エビデンスレベル】
アクリノールとの非ランダム化比較試験が1編1ある。その中で感染褥瘡(緑膿菌)は1例のみであるが、緑膿菌+が陰性化しており、エビデンスレベルVである。

【解説】
  • 原液(グルコン酸クロルヘキシジンを5w/v%含有)の100倍希釈を皮膚創傷面に用いるが、ショックを起こす可能性があるので粘膜面への使用は禁忌である。また、目の消毒にも使用しない。
  • 細菌、特にグラム陽性菌に対して広い抗菌力を有するが、真菌類に対しては弱く、ウイルスに対する効果は確定していない。
  • 細胞膜に傷害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こす(低濃度)。

【参考文献】
1. 谷口 遥.ブロノゾール・クロールヘキシジン・アクリノールの使用経験.基礎と臨.1974;8:1565-9.



H.塩化メチルロザニリン
【エビデンスレベル】
ポビドンヨード・シュガーと比較してMRSAの消失率と消失期間に有意差を認める非ランダム化比較試験1がある。また、0.1%溶液で洗浄後、マクロゴール軟膏に混和したものをMRSA感染褥瘡に使用した非ランダム化比較試験2があり、エビデンスレベルIIIである。

【解説】
  • 市販されてはいないので、「院内製剤」として調製する。
  • 原末を溶解し皮膚創傷面には0.1〜1%溶液、粘膜面には0.1〜0.2%溶液として用いるが、目の消毒には使用できない。
  • グラム陽性菌、特にブドウ球菌(MRSAを含む)に対し有効とされるが、長時間の接触が必要である。
  • 塗布すると患部の乾燥がみられる。また、生体組織に対する刺激性もあり、難治性潰瘍を生じることがあるので注意を要する。

【参考文献】
1. Saji M, Taguchi S, Uchiyama K, Osono E, Hayama N, Ohkuni H. Efficacy of gentian violet in the eradication of methicillin-resistant Staphylococcus aureus from skin lesions. J Hosp Infect. 1995;31(3):225-8.
2. 黒川正人,服部 亮,野田和男,武田孝輔,藤田冬子.0.01%ピオクタニン・亜鉛華軟膏を用いたMRSA感染褥瘡の治療.日本褥瘡学会誌.2004;6(4):577-81.



I.ポビドンヨード
【エビデンスレベル】
ポビドンヨード使用7例中4例、グルコン酸クロルヘキシジン使用7例中5例が改善との非ランダム化比較試験が1編1ある。しかし、症例に感染褥瘡が含まれていたかは不明であり、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原液(1mLにポビドンヨード100mg:有効ヨウ素として10mg)のまま皮膚創傷面、粘膜面に用いるが、目の消毒には使用しない。
  • ヨウ素をキャリアであるポリビニルピロリドン(PVP)に結合させた水溶液である。
  • 細菌(MRSA、結核菌を含む)のみならず、ウイルスに対しても強い殺菌(あるいは不活化)作用を有する。
  • 大量に使用すると一過性の甲状腺機能低下を起こしうる。
  • ヨードアレルギーに注意する。

【参考文献】
1. 板倉忠則,野津芳正.塩化リゾチーム軟膏の臨床効果に及ぼすポビドンヨードの影響について.基礎と臨床.1992;26(7):3437-44.



J.マーキュロクロム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原液(マーキュロクロム2w/v%)あるいは10倍希釈を皮膚創傷面に用いるが、粘膜面と目の消毒には使用しない。
  • 細菌と一部真菌に有効であるが、結核菌、ウイルスに対する殺菌効果はない。
  • 水銀中毒を起こす可能性があるので、長期間または広範囲の使用は避ける。



K.ヨウ素
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原液(100mL中に有効ヨウ素として1g含有)のまま皮膚創傷面に用いるが、目の消毒には使用しない。
  • ヨウ素をキャリアである非イオン性界面活性剤のポリクサマーに結合させた水溶液である。
  • 細菌(MRSA、結核菌を含む)、真菌のみならず、ウイルスに対しても強い殺菌(あるいは不活化)作用を有する。
  • 大量に使用すると一過性の甲状腺機能低下を起こしうる。
  • ヨードアレルギーに注意する。



L.ヨードチンキ
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • ヨードチンキは5〜10倍、また、希ヨードチンキはそのままか2〜5倍に希釈して皮膚創傷面、粘膜面に用いるが、目の消毒には使用しない。
  • ヨウ素(原液100mL中にヨウ素をヨードチンキは6g、希ヨードチンキは3g含有)とヨウ化カリウム、エタノールを含む。
  • 細菌(MRSA、結核菌を含む)、真菌のみならず、ウイルスに対しても強い殺菌(あるいは不活化)作用を有する。
  • 大量に使用すると一過性の甲状腺機能低下を起こしうる。
  • ヨードアレルギーに注意する。



M.ヨードホルム
【エビデンスレベル】
エキスパートオピニオン以外に褥瘡に関する論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 原末のままあるいはヨードホルムガーゼとして皮膚創傷面に用いるが、粘膜面と目の消毒には使用しない。
  • 本剤そのものには殺菌作用はなく、ヨードホルムが血液や分泌液に溶けて分解、遊離したヨウ素が殺菌作用を発揮する。
  • 細菌(MRSA、結核菌を含む)、真菌のみならず、ウイルスに対しても強い殺菌(あるいは不活化)作用を有する。
  • 少量では無害であるが、大量に用いると中毒症状を呈しうる。
  • ヨードアレルギーに注意する。



CQ4 どのように洗浄を行えばよいか

推奨
推奨度 B 洗浄液は、消毒薬などの細胞毒性のある製品の使用は避け、生理食塩水または蒸留水、水道水の使用を推奨する。
推奨度 C1 創傷表面の壊死組織や残留物等を除去するために圧をかけて行ってもよい。
推奨度 C1 創傷表面から壊死組織や残留物等を除去するために十分な量を用い、創傷の深さや面積に応じて調整して行ってもよい。
推奨度 C1 洗浄液の温度は、体温程度に温めて使用してもよい。


【エビデンスレベル】
洗浄液の種類と感染率に関する論文には1編のシステマティック・レビュー1があり、エビデンスレベル I である。しかし、どのような洗浄剤を使用すると感染率が下がるかについての結論は出せないとしている。
エキスパートオピニオン以外に洗浄圧と創感染率に言及した論文はなく、エビデンスレベルVIである。
エキスパートオピニオン以外に洗浄量と創感染率に言及した論文はなく、エビデンスレベルVIである。
エキスパートオピニオン以外に洗浄液温度と創感染率に言及した論文はなく、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • WOCN Clinical Practice Guidelineでは35mL注射器に19Gの注射針を用いての洗浄(洗浄圧 8psi)を推奨しているが、これらのエビデンスは動物実験2をもとにしたものである。
  • 褥瘡以外の創傷(手術創、外傷)の研究3456では、洗浄圧を高くすることで創傷表面の細菌除去率を高め、感染率を下げることが報告されている。しかし、その圧に関しては創傷面の肉芽組織を損傷しないように留意する必要がある。
  • 37℃程度に温めた洗浄液を使用したほうが感染率は低いとするランダム化比較試験は1編1あるが、この文献は急性外傷性創傷を対象とした研究である。

【参考文献】
1. Moore ZE, Cowman S. Wound cleansing for pressure ulcers. Cochrane Database Syst Rev. 2005;(4):CD004983.
2. Stevenson TR, Thacker JG, Rodeheaver GT, Bacchetta C, Edgerton MT, Edlich RF. Cleansing the traumatic wound by high pressure syringe irrigation. JACEP. 1976;5(1):17-21.
3. Longmire AW, Broom LA, Burch J. Wound infection following high-pressure syringe and needle irrigation. Am J Emerg Med. 1987;5(2):179-81.
4. Grower MF, Bhaskar SN, Horan MJ, Cutright DE. Effect of water lavage on removal of tissue fragments from crush wounds. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1972;33(6):1031-6.
5. Green VA, Carlson HC, Briggs RL, Stewart JL. A comparison of the efficacy of pulsed mechanical lavage with that of rubber-bulb syringe irrigation in removal of debris from avulsive wounds. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1971;32(1):158-64.
6. Stewart JL, Carlson HC, Briggs RL, Green VA. The bacteria-removal efficiency of mechanical lavage and rubber-bulb syringe irrigation in contaminated avulsive wounds. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1971;31(6):842-8.



CQ5 どのような場合に外科的治療を行えばよいか

推奨
推奨度 C1 膿汁や悪臭、あるいは骨髄炎を伴う感染創には、外科的デブリードマンを行うことを考慮してもよい。


【エビデンスレベル】
感染の鎮静化に、外科的デブリードマンが有効であるとする症例対照研究1がある。エビデンスレベルIVである。
また、褥瘡に随伴する骨髄炎の外科的治療についてのエビデンスレベルの高い論文は存在しない。褥瘡以外の骨髄炎一般に関しては、抗菌剤投与による保存的治療について2編のシステマティック・レビュー23があり、必ずしもその長期的効果は確立していない。また、褥瘡以外の骨髄炎を対象として、腐骨広範囲切除による再発率低下を示した50症例のコホート研究4がある。
その他感染に対する外科的治療は、教科書的、総説的記載しかない。

【解説】
  • 硬く厚い壊死組織が固着した状況で全身的な発熱や局所の発赤、腫脹、疼痛、悪臭を認める場合、壊死組織の下に膿の貯留や膿瘍が形成されている可能性がある。このため壊死組織の一部を切開し、膿の有無を確認することが推奨される5。特に敗血症を生じている場合には、壊死組織を切開し排膿することなる。そして全身状態を考慮しながらできるかぎり早急に壊死組織を除去することが望ましい(1.Nをnにする 壊死組織の除去 CQ2 どのような外用薬を用いたらよいかを参照)。
  • 感染を併発している場合には、骨髄炎の有無についてMRIや骨シンチ、可能であれば骨生検67を用いた精査を検討する。骨髄炎の診断がついた場合には、抗生物質の長期投与などの漫然とした保存的治療は必ずしも再発予防には適切ではなく、根治を目指す場合は外科的切除の適応を考慮してもよい。なお、上記のようにシステマティック・レビューにおいて抗菌剤投与の効果が確立していないことを受けて、Whitneyら8のガイドラインにおいては外科的切除・皮弁による被覆がエビデンスレベル I として推奨している。しかし、骨切除そのものの文献的エビデンスはレベルIV相当である。

【参考文献】
1. Galpin JE, Chow AW, Bayer AS, Guze LB. Sepsis associated with decubitus ulcers. Am J Med. 1976;61(3):346-50.
2. Stengel D, Bauwens K, Sehouli J, Ekkernkamp A, Porzsolt F. Systematic review and meta-analysis of antibiotic therapy for bone and joint infections. Lancet Infect Dis. 2001;1(3):175-88.
3. Lazzarini L, Lipsky BA, Mader JT. Antibiotic treatment of osteomyelitis: what have we learned from 30 years of clinical trials? Int J Infect Dis. 2005;9(3):127-38.
4. Simpson AH, Deakin M, Latham JM. Chronic osteomyelitis. The effect of the extent of surgical resection on infection-free survival. J Bone Joint Surg Br. 2001;83(3):403-7.
5. Bergstrom N, et al. US Department of Health and Human Services. Public Health Service, Agency for Health Care Policy and research. Rockville Maryland. Treatment of Pressure Ulcers Clinical Practice Guidelines number 15. AHCPR Publication. No95-0652, 1994.
6. Lewis VL Jr, Bailey MH, Pulawski G, Kind G, Bashioum RW, Hendrix RW. The diagnosis of osteomyelitis in patients with pressure sores. Plast Reconstr Surg. 1988;81(2):229-32.
7. Han H, Lewis VL Jr, Wiedrich TA, Patel PK. The value of Jamshidi core needle bone biopsy in predicting postoperative osteomyelitis in grade IV pressure ulcer patients. Plast Reconstr Surg. 2002;110(1):118-22.
8. Whitney J, Phillips L, Aslam R, Barbul A, Gottrup F, Gould L, Robson MC, Rodeheaver G, Thomas D, Stotts N. Guidelines for the treatment of pressure ulcers. Wound Repair Regen. 2006;14(6):663-79.



CQ6 どのような物理療法があるか

推奨
推奨度 C1 電気刺激療法を行ってもよい。


A.電気刺激療法
【エビデンスレベル】
褥瘡において有効性を検討した文献はなく、血流不全の創部での検討1と基礎研究ならびにエキスパートオピニオンであり、エビデンスレベルVIである。

【解説】
  • 創部に陰極を当て直流電流を流すと、創部の細菌数を減少させることができるが、そのメカニズムは不明である。

【参考文献】
1. Rowley BA, McKenna JM, Chase GR, Wolcott LE. The influence of electrical current on an infecting microorganism in wounds. Ann N Y Acad Sci. 1974;238:543-51.

 

 
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