(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第2章 褥瘡の予防と発生後のケア


褥瘡の予防と発生後のケア Clinical Questions
褥瘡発生後のケア
3.スキンケア


CQ1 褥瘡治癒促進のために、褥瘡周囲皮膚の洗浄にはどのような皮膚洗浄剤を使用するとよいか

推奨
推奨度 C1 弱酸性洗浄剤を使用してもよい。


【エビデンスレベル】
褥瘡を有する患者の褥瘡周囲皮膚の洗浄が褥瘡治癒を促進するかを検討した非ランダム化比較試験が1編1あり、エビデンスレベルIIIとなる。

【解説】
  • 褥瘡周囲皮膚の弱酸性洗浄剤による洗浄実施前後の褥瘡治癒期間を比較した調査1では、すべてのステージで洗浄剤使用群が短く、ステージII褥瘡では有意差が得られた。コックスハザードモデルによる分析ではステージIIの褥瘡の治癒率は、非洗浄群より1.79倍の改善がみられた。

【参考文献】
1. Konya C, Sanada H, Sugama J, Okuwa M, Kitagawa A. Does the use of a cleanser on skin surrounding pressure ulcers in older people promote healing? J Wound Care. 2005;14(4):169-71.



CQ2 尿・便失禁がある場合、褥瘡治癒促進のためにどのようなスキンケアを行うとよいか

推奨
推奨度 C1 洗浄剤による皮膚洗浄に加えて皮膚保護のためのクリーム等を褥瘡周囲皮膚に用いてもよい。


【エビデンスレベル】
尿・便失禁がある高齢者に、洗浄剤によるスキンケアと洗浄剤+皮膚保護剤(クリーム剤またはスプレー剤)によるスキンケアを皮膚状態の改善の有無で比較している非ランダム化比較試験の研究が2編12あり、エビデンスレベルIIIとなる。

【解説】
  • 皮膚洗浄に加えて、皮膚保護を加えたスキンケアを行う実験群と従来法(皮膚洗浄のみ)を行う対照群を設定し、褥瘡治癒期間を前後比較した非ランダム化比較試験12では、治癒期間が短縮し、治癒率が有意に上昇した。

【参考文献】
1. Thompson P, Langemo D, Anderson J, Hanson D, Hunter S. Skin care protocols for pressure ulcers and incontinence in long-term care: a quasi-experimental study. Adv Skin Wound Care. 2005;18(8):422-9.
2. Dealey C. Pressure sores and incontinence: a study evaluating the use of topical agents in skin care. J Wound Care. 1995;4(3):103-5.

 

 
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