(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第2章 褥瘡の予防と発生後のケア


褥瘡の予防と発生後のケア Clinical Questions
褥瘡発生後のケア
1.皮膚の観察


CQ1 d1褥瘡を判別するにはどのような方法を用いるとよいか

推奨
推奨度 C1 d1の予後予測には二重発赤、骨突出部から離れた位置の発赤サインの観察を行ってもよい。


【エビデンスレベル】
d1(ステージ I)の予後予測(皮膚欠損に至る)として、発赤を前向きに追跡し、臨床サインの有無と予後の関連を検討したコホート研究が1編1あり、エビデンスレベルIVとなる。

【解説】
  • 発赤部位の観察から、二重発赤、ガラス板圧診法による消退しない発赤、骨突出部から離れた位置の発赤、発赤拡大のサインが現れると、皮膚欠損に至ることが示された。特に二重発赤、骨突出部から離れた位置の発赤の2つの指標を用いたステージ I の予後診断精度は、感度36.4%、特異度95.0%、陽性的中率80.0%、陰性的中率73.1%、尤度比7.28であった。

【参考文献】
1. Sato M, Sanada H, Konya C, Sugama J, Nakagami G. Prognosis of stage I pressure ulcers and related factors. Int Wound J. 2006;3(4):355-62.



CQ2 DTI(deep tissue injury)を判別するにはどのような方法を用いるとよいか

推奨
推奨度 C1 触診によって近接する組織と比較し、硬結・泥のような浮遊感・皮膚温の変化(温かい・冷たい)を観察する方法を用いてもよい。
推奨度 C1 超音波画像診断法を使用してもよい。


【エビデンスレベル】
皮膚損傷が明確となる前に現れる臨床症状としては、知覚の変化や触診によるアセスメント(硬結・泥のような浮遊感・皮膚温の変化等)についてNPUAPの褥瘡分類で解説されている1。しかしながら、エキスパートオピニオンであり、エビデンスレベルVIである。
DTIを客観的にアセスメントする方法に、超音波画像診断を用いて行った症例対照研究2があり、エビデンスレベルIVとなる。

【解説】
  • (suspected)deep tissue injury(DTI疑い)とは、圧迫、圧迫とずれにより深部の軟部組織が損傷したことによって生じた紫色、または栗色に変色した欠損していない限局した皮膚または血腫のこと(NPUAP;2007)であり1、皮膚表面からは深部の軟部組織の損傷が観察されにくい状況にある。
  • 観察者の視診・触診以外に客観的指標として画像診断装置(CT、MRI、超音波画像診断)の使用が有用視されている。人の褥瘡に用いた報告は超音波画像診断のみ2である。
  • 比較的体格のよい(皮下組織が発達している)対象者の術後に発見されることが多い。

【参考文献】
1. Black J, Baharestani MM, Cuddigan J, Dorner B, Edsberg L, Langemo D, Posthauer ME, Ratliff C, Taler G; National Pressure Ulcer Advisory Panel. National Pressure Ulcer Advisory Panel's updated pressure ulcer staging system. Adv Skin Wound Care. 2007;20(5):269-74.
2. Nagase T, Koshima I, Maekawa T, Kaneko J, Sugawara Y, Makuuchi M, Koyanagi H, Nakagami G, Sanada H. Ultrasonographic evaluation of an unusual peri-anal induration: a possible case of deep tissue injury. J Wound Care. 2007;16(8):365-7.

 

 
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