(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン

 
第1章 褥瘡の概要


DESIGN(デザイン)ツールについて
II.DESIGN-R(2008年版DESIGN-R 褥瘡経過評価用)
5.DESIGN-Rの特徴と限界

2002年版DESIGNのようにD5に「判定不能例」が入っていると、D4やD3より軽症例が含まれたり、あるいは、いつからDTI(deep tissue injury)の表面皮膚の障害が生じたかわからないなどの問題点が明らかとなった。そこで、深さ判定が不能の場合には判定不能(unstageable)の頭文字をつけた「DU」のカテゴリーを新たに追加した。
褥瘡経過評価用がDESIGN-Rに移行しても2002年版DESIGN褥瘡重症度分類用はそのまま継続するので、DESIGN-R右段のアルファベットはこれまで通り大文字表示、左段は小文字表記である5。また、大文字、小文字表記にすることで、第3章の「慢性期褥瘡の局所治療」で述べている「深い褥瘡」(D)治療の基本スキーム、すなわち、「深さ以外の項目の中で特に大文字のものに注目し、それを小文字に変えていく」ことが容易となる。
2002年版DESIGNではポケットがない場合は何も記載しないとしていたが、コンピュター処理上都合が悪いため、DESIGN-Rではなしの場合「p0」と記載することにした。なお、名称は「DESIGN-P」ではなくこれまで通り「DESIGN」のままである。
DESIGN-Rの総点が20点から10点に要した期間から10点から治癒までの期間は推測できない。10点同士の褥瘡は治癒期間が同じではない。また、総点20点の褥瘡は総点10点の褥瘡に比べ2倍重症あるいは2倍の治療期間を有することにはならない。すなわち、今回のコックスハザード分析は全身状態や治療法などを統一していないすべての褥瘡を対象としたものであり、さらには、経過中にDESIGNの最高点を記録した日と治癒した日(あるいは最終観察日)の2点のみから予測妥当性を検討したものであるため、比尺度ではあっても相対的な重症度しか表していないことに注意を要する。

 

 
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