(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン
第1章 褥瘡の概要
DESIGN(デザイン)ツールについて
II.DESIGN-R(2008年版DESIGN-R 褥瘡経過評価用)
4.2008年版DESIGN-Rのつけ方、使い方
2008年改訂版のDESIGN-Rでは深さの数値は重み値には関係しないが、2002年版DESIGNと同様に、例えば真皮までの損傷をd2、皮下組織までの損傷をD3と表記する5。それ以外の項目の記載法は、滲出液が0点から6点、大きさが0点から15点、炎症/感染が0点から9点、肉芽組織と壊死組織が0点から6点、ポケットが0点から24点までの重み得点で表記する。また、これら6項目の合計点の0点から66点までの総点がその創の重症度を表しており、DESIGN-Rでは「d(もしくはD)◯-e(もしくはE)◯s(もしくはS)◯g(もしくはG)◯n(もしくはN)◯p(もしくはP)◯:◯◯(点)」と表記する。これにより、褥瘡の状態評価からの治療方針、すなわち、「慢性期の深い褥瘡における局所治療の基本スキーム(深さ以外の項目の中で特に大文字のものに注目し、それを小文字に変えていく)」がよりいっそう明確となった。なお、「点」は入れても入れなくてもよい。また、Dの数値とESIGNPの点数の下付き表記が煩雑であれば通常表記のままでよい。
褥瘡経過評価用がDESIGN-Rに移行しても2002年版DESIGNがなくなるわけではなく、2002年版とDESIGN-R(2008年改訂版)とは併存しうる。すなわち、褥瘡以外の難治性潰瘍、たとえば糖尿病性潰瘍などの創評価を行うには、DESIGN-Rよりこれまで通り2002年版のほうが簡便かつ有用である。そのため、DESIGN-Rでは「D」と「ESIGNP」の間に「-(ハイフン)」を入れることで、「DESIGN」あるいは「DESIGN-P」と表記する2002年版DESIGNとの区別化を図っている5。
例えば、症例1の仙骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e2s4i1G3N1)では、滲出液の重み得点は3点、大きさは9点、炎症/感染1点、肉芽組織は4点、壊死組織は3点、ポケットは0点となる。また、合計点の20点がその褥瘡の重症度を表す重み得点であり、DESIGN-Rでは「D3-e3s9i1G4N3p0:20(点)」と表記する(図1)。
次に、症例2の仙骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e2s3i0g1n0-P3)では、滲出液の重み得点は3点、大きさ(s)は8点、炎症/感染は0点、肉芽組織は1点、壊死組織は0点、ポケットは12点となり、DESIGN-Rでは「D3-e3s8i0g1n0P12:24(点)」と表記する(図2)。
症例3の尾骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e1s2i0G1N1)では、滲出液の重み得点は3点、大きさは6点、炎症/感染は10点、肉芽組織は1点、壊死組織は3点、ポケットは0点となり、DESIGN-Rでは「D3-e3s6i0g1N3p0:13(点)」と表記する(図3)。
症例1、2、3の治癒日数はそれぞれ92日、280日、21日であることから、2008年改訂版のDESIGN-Rの点数は比尺度となり、その総得点を用いて褥瘡間の重症度を比較することが可能となった。
褥瘡経過評価用がDESIGN-Rに移行しても2002年版DESIGNがなくなるわけではなく、2002年版とDESIGN-R(2008年改訂版)とは併存しうる。すなわち、褥瘡以外の難治性潰瘍、たとえば糖尿病性潰瘍などの創評価を行うには、DESIGN-Rよりこれまで通り2002年版のほうが簡便かつ有用である。そのため、DESIGN-Rでは「D」と「ESIGNP」の間に「-(ハイフン)」を入れることで、「DESIGN」あるいは「DESIGN-P」と表記する2002年版DESIGNとの区別化を図っている5。
例えば、症例1の仙骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e2s4i1G3N1)では、滲出液の重み得点は3点、大きさは9点、炎症/感染1点、肉芽組織は4点、壊死組織は3点、ポケットは0点となる。また、合計点の20点がその褥瘡の重症度を表す重み得点であり、DESIGN-Rでは「D3-e3s9i1G4N3p0:20(点)」と表記する(図1)。
次に、症例2の仙骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e2s3i0g1n0-P3)では、滲出液の重み得点は3点、大きさ(s)は8点、炎症/感染は0点、肉芽組織は1点、壊死組織は0点、ポケットは12点となり、DESIGN-Rでは「D3-e3s8i0g1n0P12:24(点)」と表記する(図2)。
症例3の尾骨部褥瘡(2002年版DESIGN:D3e1s2i0G1N1)では、滲出液の重み得点は3点、大きさは6点、炎症/感染は10点、肉芽組織は1点、壊死組織は3点、ポケットは0点となり、DESIGN-Rでは「D3-e3s6i0g1N3p0:13(点)」と表記する(図3)。
症例1、2、3の治癒日数はそれぞれ92日、280日、21日であることから、2008年改訂版のDESIGN-Rの点数は比尺度となり、その総得点を用いて褥瘡間の重症度を比較することが可能となった。
図1 症例1(仙骨部褥瘡、治癒日数92日) DESIGN-Rによる表記: 「D3-e3s9i1G4N3p0:20(点)」 | ||
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図2 症例2(仙骨部褥瘡、治癒日数280日) DESIGN-Rによる表記: 「D3-e3s8i0g1n0P12:24(点)」 | 図3 症例3(尾骨部褥瘡、治癒日数21日) DESIGN-Rによる表記: 「D3-e3s6i0g1N3p0:13(点)」 | |
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