(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
第8章 緩和医療
1 前立腺癌における緩和医療
進行性前立腺癌でも内分泌療法等が奏効している場合には排尿困難,血尿や骨転移巣の痛み等癌に基づく症状も緩和されていることが多い。問題は再燃した場合であり,抗癌剤等の追加治療を行ってみても最終的にはほとんどの症例が緩和医療の対象となる。前立腺癌の緩和医療として重要な点は,(1)骨転移巣の疼痛対策,(2)脊椎転移による脊髄麻痺,(3)排尿困難および血尿,(4)尿管の閉塞に伴う腎後性腎不全などがあげられる1)。