(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
第5章 放射線療法
4 補助および救済放射線治療
二次治療法としての放射線治療には前立腺全摘除術後の救済照射,および補助照射療法がある。いずれが優れるかについても多くの議論があるものの,一施設での検討結果としての成績が報告されているに過ぎない。さらに両者の無作為割付検討は行われておらず結論をみるにいたっていない23),24)(III)。
前立腺癌の放射線療法においては,過去,多くの無作為割付による大規模検討が行われてきたが,多くの問題でいまだ結論をみるに至っておらず,今後とも継続した前向き検討が必要である。一方,本邦でも人口の高齢化に伴い前立腺癌罹患頻度は急増し,今後,放射線療法の臨床上の位置づけ,役割がますます重要となっていくことは間違いないものと思われる。