(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
第3章 治療総論
3 外科治療
(8)再発後治療
前立腺全摘除術においてリンパ節が陽性であった場合,臨床的再発(PSA再発ではない)の段階で内分泌療法を開始した群よりも,即座にアジュバント療法を開始した群の方が予後が良好であったことがRCTで報告されている62)(II)。
pT3(-4)N0 M0症例に対するアジュバント放射線療法は,PSA再発のリスクを下げる可能性がある63),64),65)(III)。しかしpT3N0 M0症例でもGleasonスコア7-10かつpT3b症例や術前PSA高値(25ng/ml以上)であった場合にはアジュバント放射線療法が無効になる可能性が高くなる66)(III)。また切除断端陽性症例でもGleasonスコア≧8かつ術前PSA>10.9ng/mlではアジュバント放射線療法を行っても再発リスクが高いと報告されている67)(III)。
放射線療法をアジュバントとして行うか,PSA再発後に救済治療として実施するかについては,アジュバントが良いとする報告68)(III)と,PSA再発まで待っても結果は同等とする報告69)(II)があり,結論は一定していない。