(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
第2章 診断
2 前立腺生検
病理診断には経直腸超音波ガイド下の18G針による前立腺生検がスタンダ-ドとなっている11)(III)。経直腸生検と経会陰生検とがあるが,麻酔法,生検部位,合併症,などに特徴があり,どちらが優れているとはいえない12)(II),13),14)(III)。触知可能な結節がある場合,狙撃生検が適応となる。しかし,もし患者が根治的治療の対象候補者で,より診断率を高めるためには系統的生検が勧められる。最近では癌発見率向上の観点から前立腺の外側によりシフトした6個所以上の生検へと移行しつつある15),16)(III)。このようにして得られた生検検体は早期前立腺癌の最好発部位である辺縁領域の後外側を含んでいる。
1回目の生検が陰性だが引き続き癌の存在を疑わせる状態が持続する場合,再生検での癌発見率は約20%と報告されている17),18)(III)。しかし,再生検の明確な基準は確立されていない。High grade PINやatypical small acinar proliferation(ASAP)が検出された場合,50-100%と高率に癌が併存するとされており,再生検が勧められる19),20)。