(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版

 
発刊によせて

 
「前立腺癌診療ガイドライン」がいよいよ刊行されます。その準備段階から作業の進捗状況など,学会から漏れ伝わる情報から,かねて完成が待望されていたガイドラインです。泌尿器科学会の多数の会員が膨大なエネルギーを傾注され,原案を作られ,また別な会員がそれを評価して案を固めるという大変な作業を進められた訳です。関係された会員諸兄の御努力に心から敬意を表し,また御礼申し上げたいと思います。
いま,日本のがん診療の現場で,患者さんや家族が一番求めているのは,自分のがんに関する正確な情報です。その意味で,本書は専門家向けに作られていますが,熱心な患者さんや家族は,必ずや本書を入手され,よく勉強して診療の場に臨むはずです。つまり,本書が刊行されるということは,泌尿器科医は相当勉強することが求められることを意味します。私はこの状態を「金太郎飴」とよく表現するのですが,前立腺癌の診療に当たっては,どこの病院でも,どの泌尿器科医も,基本線は同じようなレベルを保つことを求められることを意味します。それは患者さんのために良いことです。同時に,不幸にして事故に巻き込まれた場合,このガイドラインに準拠した診療がなされていたか,が問われることも意味し,恐い面もあります。
今後は,次の改訂に向けて,わが国発のエビデンスを得るべく,的確な問題設定による質の高い多施設共同の臨床試験を次々と組織していきましょう。
本書は,わが国の前立腺癌診療の現状と,医師・患者関係を変える出発点として,極めて重要な書物となると信じます。

平成18年3月
国立がんセンター総長
垣添 忠生



 

 
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