(旧版)前立腺癌診療ガイドライン 2006年版
序
この度,前立腺診療ガイドラインが刊行されることになりました。言うまでもなく前立腺癌は勤務医,開業医を含めて泌尿器科診療の一つの課題であります。しかし,診断方法,前立腺特異抗原(PSA)値,画像診断,病理組織所見等の病期や悪性度の判定,治療方法の選択を巡って一定の基準が確立されているとは言えず,さらに外科手術の他,小線源治療などの放射線治療,薬物治療など治療方針決定にも一定の見解を見い出すことの難しい分野と理解しています。利用者の立場からQ&A形式とグレード化を取り入れた「日本人を対象としたEBMに基づく」ガイドラインは画期的であり,泌尿器科以外の先生方にも活用していただける内容であると理解しています。
本ガイドラインの作成は厚生労働科学研究費補助金の交付を受け,守殿貞夫前理事長を中心として,平尾佳彦教授,原勲助教授をはじめとする多数の日本泌尿器科学会会員,日本癌治療学会ならびに日本放射線腫瘍学会から参加いただいた300名を超える先生方のご努力で完成されました。
本ガイドラインが皆様の診療にお役立ちできることを期待,確信する次第です。
平成18年3月
社団法人日本泌尿器科学会
理事長 奥山 明彦
理事長 奥山 明彦