有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
添付書類:エビデンステーブル
全大腸内視鏡:直接的証拠
文献 | 方法 | 著者 | 発表年 | AF | 研究 方法 |
検診方法 | 対象数 | 対象集団の設定条件 | 受診率 | 評価指標 | 評価指標の把握 | 結果 |
59 | TCF | Muller AD | 1995 | 1 | 症例対照研究 | 硬性鏡検査、S状結腸鏡検査、全大腸内視鏡検査、内視鏡下治療等全てを含む大腸検査手技 | 症例群:1988-1992年に大腸がんで死亡した4,358人 対照群:症例の死亡時に生存が確認されている16,531人(生存対照)と、 症例と同一年度に他の原因で死亡した16,199人(死亡対照) |
退役軍人男性が98%以上、 平均年齢68-69歳 |
診断前10年間の大腸関連の検査受検率:ケース2.5%(107人/4,358人)、生存対照7.8%(1,288人/16,531人)、死亡対照8.1%(1,309人/16,199人)。 | 大腸がんによる死亡リスク | 退役軍人が加入している医療保険に受けた検査、治療内容、死亡等の情報が得られる | いずれの対照群を用いても、検査を受けることにより、大腸がんによる死亡を約60%減少させることができる。 |
60 | TCF | Kavanagh AM | 1998 | 1 | 症例対照研究 | 内視鏡検査: S状結腸内視鏡検査82.4%、 全大腸内視鏡検査17.6% |
検診受診群3,195人 検診未受診群21,549人 |
医療従事者(米国人男性)40-75歳、男性 | 大腸がんの診断、大腸がん死亡 | 大腸がん罹患は質問票に対する回答から。大腸がん死亡は家族からの回答、US postalservice, National Death Indexにより把握。 | 24,744人の男性医療従者に対する1986年から1994年までのコホート研究。 内視鏡スクリーニングにより、全大腸がんの罹患リスクは0.58(95%CI, 0.36-0.96)、とりわけ遠位大腸では0.40(95%CI, 0.19-0.84)、Dukes A&Bに対しては0.66(95%CI, 0.35-1.25)、Dukes C&Dでは0.50(95%CI, 0.20-1.26)。 各種大腸がんリスクを補正すると、大腸がん死亡リスクは0.56(95%CI, 0.20-1.60)であった。 遠位大腸のDukes C&Dに対しては年齢調整大腸がん死亡が0.16(95%CI, 0.02-1.23)と防御効果があったが、近位大腸のDukes C&Dでは0.96(95%CI,0.32-2.91)と効果が認められなかった。 |