有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

 
添付書類:エビデンステーブル


S状結腸鏡:直接的証拠(症例対照試験、コホート研究)

文献 方法 著者 発表年 AF 研究
方法
検診方法 対象数 対象集団の設定条件 受診率 評価
指標
評価指標の把握 結果
21 SS Newcomb PA 1992 1 症例対照研究 S状結腸内視鏡検査
便潜血検査化学法
直腸指診
症例群:大腸がん死亡66人(RS27人 その他39人)
対照群:性、年齢(1歳以内)、会員期間をマッチさせて1:3の比で対照を選択。
医療保険プログラム(Greatrt Marshfield Community Health Plan)の会員。男女とも50歳未満は症例で8%、対照で6%。男性は両群とも52% 1979〜1988年
S状結腸内視鏡検査受検率:症例 10.6(%)、対照29.1(%)
直腸指診受検率:症例62.1(%) 、対照62.8(%)
FOBT受検率(3年):症例47(%)、対照47.4(%)
大腸がんによる死亡リスク がん登録と死亡票 SCS歴あり/なし:オッズ比0.21(95%CI, 0.01-0.43)
但し、SCSの届かない部位に対してオッズ比0.36(95%CI, 0.11-1.20)FOBT 1.15(95%CI, 0.93-1.44)DRE1.01(95%CI, 0.88-1.17)
58 SS Selby JV 1992 1 症例対照研究 硬性S状結腸内視鏡検査 症例群:硬性S状結腸内視鏡で診断されたか、肛門縁から20cm以内に存在していた腺がんによる死亡者261人
(診断時年齢45歳以上)
対照群:性・年齢(±1歳)・ヘルスプランへの入会日(±1年)をマッチさせた868人
対象集団はKPMCPのメンバー。
KPMCPに参加している3つの医療機関
45歳以上の男女
症例群 年齢 66歳(45-91) 男性 59.4(%)
対照群 年齢 66(44-91) Ma男性58.6(%)
硬性S状結腸内視鏡検査受検率 Case 8.8(%) Control 24.2(%) 大腸がんによる死亡リスク がん登録とカリフォルニアの死亡診断書をリンクさせて死亡例を拾い上げ、診療録で組織診断・占居部位・死因を確認した。 10年間における調整オッズ比(大腸がんやポリープの病歴・大腸がん家族歴・10年間の定期健康診断の回数で調整)は0.41(95%CI, 0.25-0.69)であった。
直腸指診と便潜血検査の回数で補正しても、オッズ比はあまり変わらなかった。
硬性S状結腸内視鏡到達範囲外の大腸がんでは、調整オッズ比(大腸がんやポリープの病歴・大腸がん家族歴・10年間の定期健康診断の回数で調整)は0.96(95%CI, 0.61-1.50)であった。
検診間隔の検討として、2年毎に分けた分析では、各々の区間において症例の検診受診率は対照をかなり下回っていた(オッズ比は0.25-0.43)。
10年間で2回以上S状結腸内視鏡検診を受けた症例8例と対照106例を除いて直近のスクリーニングについての分析を行ったところ、直近の検査が9-10年前の場合はオッズ比0.12(95%CI, 0.02-0.93)で、2年前(オッズ比0.41、95%CI, 0.14-1.22)と同等(以上)の効果を認めた。
59 SS Muller AD 1995 1 症例対照研究 硬性鏡、S状結腸内視鏡、大腸内視鏡、内視鏡下治療等全てを含む大腸検査手技 症例群:1988-1992年に大腸がんで死亡した4,358人
対照群:症例の死亡時に生存が確認されている16,531人(生存対照)と、
症例と同一年度に他の原因で死亡した16,199人(死亡対照)
退役軍人男性が98%以上、
平均年齢68〜69歳
診断前10年間の大腸関連の検査受検率:
ケース2.5%(107人/4,358人)
生存対照7.8%(1,288人/16,531人)
死亡対照8.1%(1,309人/16,199人)。
大腸がんによる死亡リスク 退役軍人が加入している医療保険で受けた検査、治療内容、死亡等の情報が得られる いずれの対照群を用いても、検査を受けることにより、大腸がんによる死亡を約60%減少させることができる。
60 SS Kavanagh AM 1998 1 コホート
研究
内視鏡検査
(S状結腸内視鏡検査82.4%
全大腸内視鏡検査17.6%)
検診受診群3,195人
検診未受診群21,549人
医療従事者(米国人男性)40-75歳、男性   大腸がんの診断、大腸がん死亡 大腸がん罹患は質問票に対する回答から。大腸がん死亡は家族からの回答、US postal service、National Death Indexにより把握。 24,744人の男性医療従者に対する1986年から1994年までのコホート研究。内視鏡スクリーニングにより、全大腸がんの罹患リスクは0.58(95%CI,0.36-0.96)、とりわけ遠位大腸では0.40(95%CI, 0.19-0.84)、Dukes A&Bに対しては0.66(95%CI, 0.35-1.25)、Dukes C&Dでは0.50(95%CI, 0.20-1.26)。各種大腸がんリスクを補正すると、大腸がん死亡リスクは0.56(95%CI,0.20-1.60)であった。遠位大腸のDukes C&Dに対しては年齢調整大腸がん死亡が0.16(95%CI, 0.02-1.23)と防御効果があったが、近位大腸のDukes C&Dでは0.96(95%CI, 0.32-2.91)と効果が認められなかった。

 
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