有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン
添付書類:エビデンステーブル
便潜血検査免疫法:間接的証拠(検査精度)
文献 | 方法 | 著者 | 発表年 | AF | 検診方法 | 対象数 | 対象集団の特性 | 評価 指標 |
評価指標の把握 | 結果 |
32 | 免疫法 | Hisamichi S | 1991; | 3 | 便潜血検査免疫法 便潜血検査化学法 |
459,658人、このうち1988年の受診者416,382人について詳細を示している。 | 10施設共同研究(日本) | 大腸がんに対する感度・特異度 | 学法の両者を行う。注腸検査や大腸内視鏡検査あるいは注腸検査と大腸内視鏡検査の両方を施行し、把握する。 | 化学法と免疫法のROC分布では、感度は、免疫法で60-100%。化学法は55-90%に分布している。一方、特異度については、免疫法で95-100%。化学法は75-95%に分布している。この結果から、感度・特異度共に、免疫法が化学法を上回るとしている |
36 | 免疫法 | Walter SD | 1991 | 3 | 免疫拡散法(RID)、rehydration Hemoccult(HR)、nonrehydration Hemoccult(HNR) | 1,303人 | New South Wales study、参加者はボランティア | 大腸がんに対する感度・特異度 | 3種の便潜血検査が陽性者に対して精検を施行し大腸がんの有無を把握。 | 3方法 の精度の比較。精度の推計にlatent class analysisという方法を取り入れている。RIDの感度が最も高かったが(87%)、特異度は他の2法より低かった(95.8%) |
38 | 免疫法 | Rozen P | 1995 | 3 | 便潜血検査化学法と 便潜血検査免疫法 |
527人 | 51%が女性、平均年齢59歳 | 10mm以上の腺腫および大腸がんに対するの感度・特異度 | 対象者全員に内視鏡検査(全大腸:59%、S状結腸内視鏡:41%)と2種類のFOBT(化学法:Hemoccult SENSA、免疫法:BM-Test Colon Albumin)を施行。 | 10mm以上の腺腫および大腸がんに対する化学法:Hemoccult SENSA及び免疫法:BM-Test Colon Albuminの感度はそれぞれ35%、30%で有意差がなかったが、特異度は85%、90%と免疫法が有意に高かった。 |
39 | 免疫法 | Robinson MH | 1995 | 3 | 2種のFOBT 便潜血検査化学法:Hemoccult 便潜血検査免疫法:HemeSelect |
808人 | ハイリスク群 (男性468人;平均年齢63歳 女性340人;平均年齢59歳) |
大腸がんに対する感度 | 96%に全大腸内視鏡を施行、全大腸内視鏡検査を施行できなかった症例には注腸検査を施行 | がんおよび1cm以上の腺腫に対するHemeSelectの感度はそれぞれ70%(7/10)、44%(16/36)、Hemoccultの感度はそれぞれ33%(1/3)、18%(3/17)であり免疫法の感度が高かった。特異度はHemeSelectの88%に対してHemoccultでは98%であった。 |
40 | 免疫法 | Allison JE | 1996 | 3 | FOBT 3種 便潜血検査免疫法と 便潜血検査化学法 |
Kaiser Permanente Medical Centerの健康診査会員。会員10,702人のうち1回でも便潜血検査を受けたのは8,104人(75.7%)。 | HMOのKaiser-Permanenteの会員、カリフォル二ア州オークランド50歳以上男女 | 大腸がんおよび10mm以上のポリープに対する感度・特異度 | 2年間の追跡で有症例を把握し感度測定。(追跡法) | 感度はイモカルトII、ヘモカルトS,HemeSelectで37.1%、79.4%、68.8%特異度は97.7%、86.7%、99.4% |
51 | 免疫法 | 村上良介 | 1992 | 3 | RPHA法、大部分はこれと他の便潜血検査免疫法を併用(ラテックス凝集法、モノヘム法、RPHA法スティック型) | 検診:男24,418人、女9,168人→検診発見がん151例、ほぼ同時期の外来診断がん237例 | 大阪府立成人病センター40歳以上の職域検診受診者(1986−1989年) | 病院発見大腸がん症例と検診発見大腸がん症例を臨床病理学的に比較。検診の精度。 | 大阪府がん登録 | 大腸がん発見患者数151人(0.45%)、大腸ポリープ発見者数611人(1.82%)、陽性反応適中率6.3%、感度92.9%、特異度95.8%、検診発見がん2年生存率98%、検診発見進行がん2年生存率84%。検診発見がんと外来診断がんの臨床病理学所見の比較:検診発見がんは、より上部を占拠し、病気がより早く、深達度がより浅く、より根治的な治療を受けていた。 |
52 | 免疫法 | 藤田昌英 | 1995 | 3 | RPHA3日法、2日法 | RPHA3日法('87-'88)15,488人、2日法('89-90)20,560人 | 地域および職域における大腸がん検診受診者で大阪府に在住する者 | 大腸がんに対する感度・特異度 | 大阪府がん登録のうち、大腸がんファイルと大阪府在住者のファイルとを照合 | 感度:3日法86.2% 2日法75% 特異度:3日法97.1% 2日法97.6% |
53 | 免疫法 | Nakama H | 1999 | 3 | 便潜血検査免疫法 (Monohaem) |
4,611人 | 症状のない40歳以上の検診受診者 | 大腸がんの感度・特異度 | 全大腸内視鏡を同時併用 | 感度 1日法 55.6% 2日法83.3% 3日法88.9% 特異度 1日法 97.1% 2日法96.0% 3日法93.9% |
54 | 免疫法 | 松田一夫 | 1998 | 3 | 便潜血検査免疫法1日法 | のべ105,617人 | 福井県在住、昭和62年から平成2年の4年間の大腸集検受診者 | 大腸がんの偽陰性率 | がん登録による記録照合 | 観察期間の真陽性133、中間期がん32、逐年検診発見44で、後2者を偽陰性とすると偽陰性率36.4%であった。 |