有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

 
IV.結果


2.検診方法の証拠

各検診方法別の検査の概要、直接的証拠、間接的証拠、不利益及びその他の要因は以下のとおりである。その他の要因としては、死亡率減少効果を示す研究から示された対象年齢や受診間隔に限定した。各検診方法の引用論文については、添付書類のエビデンス・テーブルとして、その結果をまとめ、その論文の詳細は「引用文献」に示した。
さらに、添付書類のエビデンス・テーブルの結果に基づき、各検診方法別の証拠のレベルを判定した。証拠のレベルの判定は、AFの各段階の研究数をまとめ、直接的証拠(AF1)による判定を示し、さらに間接的証拠(AF2〜9)を採用した場合には、その点を加え、最終的な証拠のレベルを決定した(表4)。


表4 大腸がん検診の証拠レベルと根拠となる研究
検査方法 証拠のレベル
(最終判定)
直接的証拠(AF1) 間接的証拠(AF2〜9)
文献 判定 文献 AF2 AF3 AF4 AF5 AF6 AF7 AF8 AF9
総数 有効
有意差あり
その他 対象 検診精度 検診不利益 ポリペクトミー ポリペクトミー不利益 治療 治療不利益 罹患減少
便潜血検査化学法 1++ 13 9 4(有効・有意差なし) 1++ 17 0 13 8 0 0 0 0 1
便潜血検査免疫法 1+ 5 5 0 2++ 15 0 11 5 0 0 2 0 1
S状結腸鏡検査 1+ 4 3 1(研究デザイン難) 2++ 13 0 5 8 1 0 0 0 1
S状結腸鏡検査と便潜血検査化学法の併用法 2+ 1 0 1(有効・有意差なし) - 3 0 2 0 0 0 0 0 1
全大腸内視鏡検査 2+ 2 0 2(研究デザイン難) 2- 12 0 4 3 4 0 0 0 1
注腸X線検査 2+ 1 0 1(有効・有意差なし) - 14 0 9 5 0 0 0 0 1
直腸指診 2+ 2 0 2(無効・有意差なし) 2+ 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 

 
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