有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン

 
I.はじめに


大腸がんの頻度と予後

わが国における、大腸がんの罹患数は94,500人(1999年推定値)、死亡数は38,900人(2003年概数)であり、それぞれ、2番目、3番目に多いがんである1)。死亡数は、過去20年間に2.5倍に増加し、現在も増加傾向にある。特に、女性においては罹患数では1996年、死亡数では2003年に胃がんを抜いて、1位を占めるようになった。
1年間の罹患率(人口10万人あたり)は、男性40歳代、50歳代、60歳代、70歳代でそれぞれ37.3、111.5、259.0、403.1、女性40歳代、50歳代、60歳代、70歳代でそれぞれ24.6、64.1、128.8、207.0であり(1999年推計値)、年齢と共に増加する。男性は女性に比べて1.5〜2.0倍罹患率が高いが、男女とも50歳以上では、1年あたりの罹患率が男性で897人に1人以上、女性で1,561人に1人以上となる。50歳の人が死ぬまでに大腸がんに1度でも罹患する確率(累積罹患率)は男性8.1%、女性6.1%で、50歳の人が大腸がんで死亡する確率(累積死亡率)は男性3.1%、女性2.7%である。
大阪府地域がん登録(1993-95年)によると1)、大腸がんと診断された時点での病巣の広がりは、「限局」が43%、「領域リンパ節転移あり」が31%、「遠隔転移あり」が18%、「不明」が8%、また、各ステージでの5年相対生存率は、「限局」が91%、「領域リンパ節転移あり」が51%、「遠隔転移あり」が6%と報告されている。早期に診断されるほど、高い5年生存率が期待できる。

 

 
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