(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第XIV章 急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインのフィードバックの経過
4. 第41回日本腹部救急医学会総会(2005.3.10〜11,名古屋市)
5)急性胆嚢炎の重症度判定基準
急性胆嚢炎の重症度判定基準の必要性は75%の参加者が必要としていた。 急性胆嚢炎により,「急性腎不全(尿素窒素 >40mg/dL)」を呈した場合,重篤な局所合併症として「胆汁性腹膜炎」「胆嚢周囲液体貯留像」「胆嚢周囲膿瘍」「肝膿瘍」「胆嚢捻転症」「気腫性胆嚢炎」を伴った場合には,各々70〜90%以上の参加者が重症と判断したが,「胆嚢周囲液体貯留像」のみは38%と低かった(図3)。
重症急性胆嚢炎判定基準も「妥当」,「ほぼ妥当」で91%を占めた。 会場からは,急性胆管と同様に「ショック」などの全身状態を反映する項目も入れるべきではという意見もあった。 しかしながら,作成委員会での協議で,胆嚢炎でショックを呈する場合は他の項目以上に重篤な状態を示唆するもので,重症急性胆嚢炎のなかで他の項目との間に重症度に大きな差をもたらす可能性があるため,今回は入れないこととなった。
中等症急性胆嚢炎判定基準も73%の参加者が「妥当」および「ほぼ妥当」としていた。
図3 急性胆嚢炎の臨床徴候,検査所見等と重症度の関係
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