(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第XIV章 急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインのフィードバックの経過
4. 第41回日本腹部救急医学会総会(2005.3.10〜11,名古屋市)
2)急性胆管炎の重症度判定基準
急性胆管炎の重症度判定基準の必要性は79%の参加者が必要としていた。 急性胆管炎により,「意識障害(精神症状)」,「急性腎不全(クレアチニン >2.0mg/dLまたは尿素窒素 >40mg/dL)」,「ショック(収縮期血圧 <80mmHgまたは血圧の維持にカテコラミンを要するもの)」,「血小板数 >10万/mm3または30%以上の急激な減少」,「エンドトキシン血症,または菌血症」,「急性呼吸不全」を呈した場合には,各々80%以上の参加者が重症と判断した(図2)。 作成委員会では,急性胆管炎のため直ちに緊急胆道ドレナージが必要な病態を重症急性胆管炎とし,重症度判定基準の作成に努めてきたが,この病態を77%の参加者が「重症」と判断していた。
重症急性胆管炎判定基準も「妥当」,「ほぼ妥当」で94%を占めた。
中等症急性胆管炎判定基準も約80%の参加者が「妥当」および「ほぼ妥当」としていた。
図2 急性胆管炎の臨床徴候,検査所見等と重症度の関係
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