(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第XIII章 特殊な胆道炎
8. 原発性硬化性胆管炎
Q128. 限局性の原発性硬化性胆管炎に対する治療法は?
限局性のPSCに対して外科治療が有効な場合がある。(推奨度C)
ただし,いまだ症例数が少ないため,適応選択は慎重に行うべきである。
ただし,いまだ症例数が少ないため,適応選択は慎重に行うべきである。
PSCは肝内肝外の胆管に進行性の硬化・狭窄が生じることによって閉塞性黄疸をきたし,最終的には二次性胆汁性肝硬変から肝不全に陥るため予後不良と考えられている。しかし報告例が増えるにつれ,なかには限局性のものも報告されるようになってきた。本邦報告例の集計では,限局性PSCの長期予後は切除例12例中10例が再燃なく健在で,非切除例4例は全例死亡していた。 このことより限局性の場合は,病変部が切除されれば予後は良好と考えられる(レベル4)7)。