(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

 
 
第XIII章 特殊な胆道炎


2. 高齢者の胆道炎
Q110. 高齢者の急性胆嚢炎の病態は?

高齢者では胆道系構造の加齢変化と胆汁内細菌が高頻度であるため,しばしば急性胆嚢炎を引き起こすといわれている。 70歳以上の急性胆嚢炎では,無石胆嚢炎や総胆管結石,胆嚢壊死,癌の合併が多く,菌血症を合併しやすくなるため,早期治療の重要性が指摘されている(レベル3b)7)。 また腹膜炎の合併率は加齢とともに増加し特に80歳台では他の年齢と比較して有意に高率であると報告されている(レベル3b)1)。急性胆嚢炎の1.8%に胆汁性腹膜炎がみられ,その2/3は明らかな胆嚢穿孔が確認されている(レベル3b)8)。 その一方で,75歳以上の急性胆嚢炎の腹部超音波所見では,しばしば認められる胆嚢壁の三層構造と壁肥厚は,高齢者にはみられないことが多いため,診断に難渋する症例も多い(レベル4)9)

 

 
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