(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

 
 
第XII章 急性胆嚢炎 -手術法の選択とタイミング-



Q103. 腹腔鏡下胆嚢摘出術から開腹下胆嚢摘出術へ移行するタイミングはいつがよいか?

偶発症が生じる前に開腹術へ移行することが重要である。 (推奨度A)

腹腔鏡下胆嚢摘出術全般にいえることは,局所解剖が把握できない,上腹部手術の既往,胆嚢壁の肥厚,急性炎症の存在,胆管結石の存在などが,開腹へ移行する要因とされている。 しかし,開腹移行が患者のデメリットになるのではなく,術中偶発症や術後合併症を起こさずに急性胆嚢炎を治療することが重要である。 したがって,個々の症例に応じた術者の早めの判断が重要であり,開腹移行が必要と判断したら,その移行にあたって躊躇してはならない。

腹腔鏡下胆嚢摘出術


図1 トロッカー挿入位置
(1)腹腔鏡用,(2)術者操作用,(3)(4)術者または助手用のトロッカー挿入位置を示す。



図2 胆嚢管,胆嚢動脈剥離
剥離鉗子を用いてCalot三角内の胆嚢管と胆嚢動脈を剥離する。



図3 術中胆道造影
必要に応じて行う術中胆道造影は,胆嚢管を切開し専用の鉗子などを用いて造影チューブを胆嚢管内に挿入し行う。



図4 胆嚢管,胆嚢動脈の切断
ステイプラーによる切断方法により切断された胆嚢管と胆嚢動脈を示す。



図5 肝床からの胆嚢切離
電気メスにより胆嚢を肝床から切離する。


 

 
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