(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第XI章 急性胆嚢炎 -胆嚢ドレナージ法-
胆嚢ドレナージ法は,古くは局所麻酔下に外科的に胆嚢外瘻を作成する方法を意味しておりpercutaneous cholecystostomyと称された。 現在では超音波検査の普及に伴いinterventional proceduresである経皮的胆嚢ドレナージ法(PTGBD : percutaneous transhepatic gallbladder drainage)が一般的な方法となっている。 PTGBDはハイリスク患者におけるドレナージ法として多くの症例集積研究がその有用性を支持しているが1,2,3,4),保存的治療に対する優位性はエビデンスレベルの高い無作為化比較対照試験(RCT)による証明はなされていない。 胆嚢ドレナージ法としては胆嚢内容物を穿刺吸引しドレナージカテーテルを留置しない経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA : percutaneous transhepatic gallbladder aspiration)もあるが,その有用性についても症例集積研究による報告でしか述べられていない5,6)。 本章では急性胆嚢炎における胆嚢ドレナージ法の臨床的意義,適応,成績について述べる。