(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第IX章 急性胆管炎 -診断基準と重症度判定-
4. 画像診断
2)CT(computed tomography)
Q74. 急性胆嚢炎の診療においてどのような場合にCTを撮影するべきか?
急性胆嚢炎が疑われるが,臨床所見,血液検査,超音波検査によって急性胆嚢炎の確定診断が困難な場合,あるいは局所合併症が疑われる場合には,CTを施行すべきである。
(推奨度B)
初診時のX線CT検査は,体外式超音波に比べ診断能は劣り,必ずしも全例でルーティーンに施行する必要は無い(表6)(レベル3b)45)。 しかしながら穿孔や膿瘍などの合併症の診断には有用である(レベル3b)46,47)。 超音波検査では胆嚢壁の断裂をとらえることは困難で,胆嚢壁の局所的突出を穿孔の所見とした場合,その正診率は39%にすぎないが,CTでは胆嚢壁の断裂所見を69%に描出可能である(レベル4)48)。
表6 超音波とCTの急性胆嚢炎における診断能の比較(文献45)より引用)
sensitivity | specificity | positive predictive value |
negative predictive value |
LR+ | LR- | |
CT | 39% | 93% | 50% | 89% | 5.57 | 0.656 |
超音波検査 | 83% | 95% | 75% | 97% | 16.6 | 0.179 |
LR: likelihood ratio |