(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン

 
 
第VIII章 急性胆管炎に対する各種ドレナージ手技


3. 内視鏡的胆道ドレナージ術の手技の実際
4)経皮経肝的胆道ドレナージ(PTCD: percutaneous transhepatic cholangial drainage or PTBD: percutaneous transhepatic biliary drainage)
Q63. 内鏡的胆道ドレナージか経皮経肝的ドレナージか?(「第VII章/Q57.胆管ドレナージ法の選択は?」参照)

内視鏡的胆道ドレナージ(推奨度A)
経皮経肝的胆道ドレナージ(推奨度B)


超音波装置が普及する前はPTCに引き続き透視下に胆管を穿刺する方法がとられていたが13),合併症が多く現在では超音波映像下に穿刺する方法が一般的となっている14)
超音波映像下に経肝的に肝内胆管を18-22G針で穿刺し胆汁の逆流を確認・胆管造影した後,透視下にガイドワイヤーを利用して胆管内に7-10Frのカテーテルを留置する(Seldingerテクニック)。 22G針を使用した場合にはガイドワイヤーを直接使用できないため,鋼線ワイヤーを利用してエラスター針による拡張を行い,改めてガイドワイヤーを挿入する必要がある。 手技的にはone stepの追加を要するため煩雑であるが,胆管拡張が軽微な例では細径の22G針による穿刺が安全である(図14)。 ドレナージ成功率は放射線科医によるクオリティー向上ガイドラインにおいて胆管拡張のある場合には95%,拡張がない場合でも70%程度が水準とされている15)

図14 PTCD (or PTBD)の実際

a.超音波ガイド下にマンドリンに外筒をかぶせた穿刺針を用いて肝内胆管を穿刺する。

b.穿刺針のマンドリンを抜き,胆汁の逆流を確かめてから胆管造影を行う。

c.銅線ワイヤーを挿入する。

d.ワイヤーを胆管内に十分挿入してから,穿刺針を抜く。

e.エラスター針を銅線ワイヤーに沿って挿入する。

f.エラスター針の内筒を抜去後に胆汁の逆流を確かめてからガイドワイヤー挿入。

g.ガイドワイヤーに沿ってPTCD(or PTBD)チューブを挿入。

h.ガイドワイヤーを抜去してからチューブ留置

 

 
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