(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第VIII章 急性胆管炎に対する各種ドレナージ手技
3. 内視鏡的胆道ドレナージ術の手技の実際
2)EST
(2)Precutting techniques
precuttingとは選択的カニュレーションができない際に胆管開口部へのカニュレーションを助けるために乳頭部を切開する方法である。 胆管開口部へのカニュレーションが可能になった後に通常の方法でESTを完成させる。 欧米では針状sphincterotomeを使用して胆管開口部をさぐる方法(図6)が一般的であるが,push式やフカヒレ型のsphincterotomeを使用して胆管末瑞部の切開を行う方法もある.施設により使用するsphincterotomeや方法の仔細が異なる。 また,precuttingは急性膵炎や穿孔など重篤な合併症を生じやすい手技であることも知られており,熟練した内視鏡医にのみ許される手技である6,7)。
図6 Percutting techniques of EST with a needle type sphincterotome | |
![]() |
![]() |
a.needle型sphincterotomeで開口部より口側方向に切開を開始する。 | b.口側隆起を切開し胆管開口部を開放する。 |