(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第VIII章 急性胆管炎に対する各種ドレナージ手技
2. ドレナージのタイミング
ドレナージの緊急性は重症度(重症度判定基準)によって定まる。
重症では適切な臓器サポートや呼吸循環管理とともに緊急ドレナージを行う。 中等症では初期治療とともに速やかに胆道ドレナージを行う。 軽症では12〜24時間の初期治療に反応しなければドレナージを行う。
急性胆管炎の重症度判定基準(「第V章/Q24.急性胆管炎の重症度の定義と重症度判定基準は?」参照)
重症急性胆管炎
急性胆管炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「重症」である。 |
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(1) | ショック |
(2) | 菌血症 |
(3) | 意識障害 |
(4) | 急性腎不全 |
中等症急性胆管炎
急性胆管炎の内,以下のいずれかを伴う場合は「中等症」とする。 |
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(1) | 黄疸(ビリルビン > 2.0mg/dL) |
(2) | 低アルブミン血症(アルブミン < 3.0g/dL) |
(3) | 腎機能障害(クレアチニン > 1.5mg/dL,尿素窒素 > 20mg/dL) |
(4) | 血小板数減少*( < 12万/mm3) |
(5) | 39℃ 以上の高熱 |
軽症急性胆管炎
急性胆管炎のうち,「重症」,「中等症」の基準を満たさないものを「軽症」とする |
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*肝硬変等の基礎疾患でも血小板減少をきたすことがあり注意する。
付記:重症例では急性呼吸不全の合併を考慮する必要がある。 |