(旧版)科学的根拠に基づく急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドライン
第IV章 診療フローチャートと診療のポイント
症例:重症胆嚢炎に胆管炎を伴った症例
54歳男性 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
既往歴 | : | アルコール性慢性肝障害 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
主 訴 | : | 右季肋下部痛 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
現病歴 | : | 2005年7月31日右季肋下部痛が出現。8月1日急性胆嚢炎の診断で近医より紹介,緊急入院となった。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
理学所見 | : | 体温38.2℃。眼球結膜に軽度の黄疸を認めたが,眼瞼結膜に貧血はなかった。
右季肋部に圧痛を認め,Murphy sign陽性。 |
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検査成績 | : |
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診 断 | : | 胆汁性腹膜炎を合併した重症急性胆嚢炎+中等症急性胆管炎(総胆管結石合併) | ||||||||||||||||||||||||||||||||
治 療 | : | 急性胆嚢炎の重症度が高いため,緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行。その後内視鏡的に胆管結石を摘出した。 |
写真1 | |
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CTで胆嚢壁不整像と胆嚢周囲の液体貯留を認めた。 胆管拡張はなく胆管結石は明らかではなかった。 |
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経乳頭的胆嚢ドレナージと胆管結石の検索を目的にERCPを行った。 胆嚢体部からの造影剤の漏出(白矢印)と総胆管結石(黒矢印)を認め,ENBDを留置した。 |
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摘出標本割面像:胆嚢体部に全層性の壊死を認めた。 |